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日本の専門家:日本の宇宙研究の軍事化傾向を懸念
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-01-26 08:44:06 | 新華社 | 編集: 王珊寧

  【新華社東京1月26日】小野寺五典防衛大臣は23日、防衛大綱を新たに見直し、「サイバー、宇宙など新たな領域における能力を強化していく」方針であることを明らかにした。日本の報道によると、日本政府は陸海空の自衛隊と同じレベルの「サイバー・宇宙部隊」を設立する意向で、「第4、第5の戦場」を開拓する重要な一歩となると見られている。

  専門家によると、ここ数年日本政府はサイバーや宇宙領域の軍事能力に関する動きが活発化しており、それは、人類の幸福のためという科学研究の本来の意図に反するだけでなく、軍事的拡大を追求する日本政府の政策転換を反映しているとの懸念が広がっている。

  名古屋大学の池内名誉教授は、「サイバーと宇宙分野は関連性はなさそうだが、実際は一定の共通性を持っている。例えば宇宙の情報を監視制御することで大量のデータが生成され、この保存だけでなく、計算やスクリーニング、処理も必要となり、サイバー人材や技術が必要となってくる。このため、これらの領域を統合するのは必然的なことだ」と語っている。

  その上で池内氏は、これは臨時的なもので、将来宇宙部隊がこの統合組織から単独組織に独立する可能性も排除できないとしている。

  宇宙分野に関して、日本の自衛隊は関連機関を持っていない。現在、衛星発射などの計画は内閣府が決定し、文部科学省傘下の宇宙航空研究開発機構(JAXA)がその実施を担当している。JAXAはまた、衛星軌道およびターゲットの監視制御も行なっている。

  「日本は2003年以来、十数基の情報収集衛星を打ち上げており、この分野の実力は蓄えつつある。だが、アメリカと比べるとまだそれほど進んでいるとは言えない。情報収集衛星は非常に高精度で、ピンポイントで観測する必要があり、その技術をかなり積み上げなければならない。アメリカはこの技術を日本に提供しないため、全て独自開発しなければならない」と池内氏。

  また、日本は予算規模に限りがあり、独自に宇宙軍事開発を進めることは無理であろうとし、現在JAXAがアメリカに関連情報データを提供しているが、将来、防衛省が宇宙部隊を設立すると、アメリカの軍事部門と緊密な協力を進めることになる。防衛省はJAXAを通さずにアメリカと軍事提携できる能力を求めており、これが「日本とアメリカの軍事一体化の重要なステップとなる」としている。

  さらに、「JAXAは本来、科学研究や人類の生活の豊かさのために宇宙を研究する機関である。だがその研究や開発の内容が次第に軍事的用途に変わってきており、軍事体制に飲み込まれつつあると言ってもいい」と述べている。

  日本の内閣府は予算を利用してJAXAの研究開発に介入するだけでなく、下部組織の宇宙開発戦略本部を使って衛星の発射計画を管理している。いかなる科学的な衛星でも、安全保障のためにどんな役に立つかを説明することが義務つけられている。

  池内氏は、「現在日本の宇宙研究の軍事化傾向は顕著であり、これでは宇宙の領域が科学や人々の生活のために使いにくくなる」と懸念している。

  小野寺防衛相は昨年8月に防衛相に再任して以来、たびたび「防衛大綱」改正の意向を示している。安倍晋三首相の22日の施政方針演説でも、日本の防衛力強化が示された。日本のメディアは、政府が「敵の基地を攻撃する能力の解禁」を改正後の大綱に入れるかどうか検討していることを報じている。

  「安倍首相の再任以来、政府は集団的自衛権を容認した新しい安保法の制定など、『専守防衛』の原則に反する行動をしている。安倍内閣は北朝鮮問題も利用して日本のミサイル防衛力を強化しようとしている。日本の防衛政策は専守防衛路線から逸脱しつつあり、軍事的拡大も続いている。この危険な流れを止めなければならない」と池内氏は警鐘を鳴らしている。 (記者/王可佳)

 

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日本の専門家:日本の宇宙研究の軍事化傾向を懸念

新華網日本語 2018-01-26 08:44:06

  【新華社東京1月26日】小野寺五典防衛大臣は23日、防衛大綱を新たに見直し、「サイバー、宇宙など新たな領域における能力を強化していく」方針であることを明らかにした。日本の報道によると、日本政府は陸海空の自衛隊と同じレベルの「サイバー・宇宙部隊」を設立する意向で、「第4、第5の戦場」を開拓する重要な一歩となると見られている。

  専門家によると、ここ数年日本政府はサイバーや宇宙領域の軍事能力に関する動きが活発化しており、それは、人類の幸福のためという科学研究の本来の意図に反するだけでなく、軍事的拡大を追求する日本政府の政策転換を反映しているとの懸念が広がっている。

  名古屋大学の池内名誉教授は、「サイバーと宇宙分野は関連性はなさそうだが、実際は一定の共通性を持っている。例えば宇宙の情報を監視制御することで大量のデータが生成され、この保存だけでなく、計算やスクリーニング、処理も必要となり、サイバー人材や技術が必要となってくる。このため、これらの領域を統合するのは必然的なことだ」と語っている。

  その上で池内氏は、これは臨時的なもので、将来宇宙部隊がこの統合組織から単独組織に独立する可能性も排除できないとしている。

  宇宙分野に関して、日本の自衛隊は関連機関を持っていない。現在、衛星発射などの計画は内閣府が決定し、文部科学省傘下の宇宙航空研究開発機構(JAXA)がその実施を担当している。JAXAはまた、衛星軌道およびターゲットの監視制御も行なっている。

  「日本は2003年以来、十数基の情報収集衛星を打ち上げており、この分野の実力は蓄えつつある。だが、アメリカと比べるとまだそれほど進んでいるとは言えない。情報収集衛星は非常に高精度で、ピンポイントで観測する必要があり、その技術をかなり積み上げなければならない。アメリカはこの技術を日本に提供しないため、全て独自開発しなければならない」と池内氏。

  また、日本は予算規模に限りがあり、独自に宇宙軍事開発を進めることは無理であろうとし、現在JAXAがアメリカに関連情報データを提供しているが、将来、防衛省が宇宙部隊を設立すると、アメリカの軍事部門と緊密な協力を進めることになる。防衛省はJAXAを通さずにアメリカと軍事提携できる能力を求めており、これが「日本とアメリカの軍事一体化の重要なステップとなる」としている。

  さらに、「JAXAは本来、科学研究や人類の生活の豊かさのために宇宙を研究する機関である。だがその研究や開発の内容が次第に軍事的用途に変わってきており、軍事体制に飲み込まれつつあると言ってもいい」と述べている。

  日本の内閣府は予算を利用してJAXAの研究開発に介入するだけでなく、下部組織の宇宙開発戦略本部を使って衛星の発射計画を管理している。いかなる科学的な衛星でも、安全保障のためにどんな役に立つかを説明することが義務つけられている。

  池内氏は、「現在日本の宇宙研究の軍事化傾向は顕著であり、これでは宇宙の領域が科学や人々の生活のために使いにくくなる」と懸念している。

  小野寺防衛相は昨年8月に防衛相に再任して以来、たびたび「防衛大綱」改正の意向を示している。安倍晋三首相の22日の施政方針演説でも、日本の防衛力強化が示された。日本のメディアは、政府が「敵の基地を攻撃する能力の解禁」を改正後の大綱に入れるかどうか検討していることを報じている。

  「安倍首相の再任以来、政府は集団的自衛権を容認した新しい安保法の制定など、『専守防衛』の原則に反する行動をしている。安倍内閣は北朝鮮問題も利用して日本のミサイル防衛力を強化しようとしている。日本の防衛政策は専守防衛路線から逸脱しつつあり、軍事的拡大も続いている。この危険な流れを止めなければならない」と池内氏は警鐘を鳴らしている。 (記者/王可佳)

 

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