【新華社北京11月24日】先日開催された中国国務院の常務会議上において、今後、財産権を侵害する者には大きな代償を負わせるとの強い警告が発せられた。
中国共産党第１９回全国代表大会（第１９回党大会）の総括では、財産権制度の整備が中国経済の制度改革の重点の一つであるとされている。第１９回党大会閉幕からひと月もたたないこの時期に、中国国務院の常務会議が財産権の法的保護を再度の部署を行うことは、中国の財産権の法的保護に対する決意を示したものである。
昨年１１月に発表された「中国共産党中央、国務院による財産権保護制度の整備と財産権の法による保護に関する意見」では、財産権には物権、債権、株式権、知的財産権、及び他の各種無形財産権が含まれ、その権利保護の内容を更に明確化していくことが示されている。
業界内の専門家の間では、財産権の保護は、経済と社会の安定した発展を実現させるための重要な保障であると認識されている。
技術革新は経済発展を促進させるための鍵となる力であり、整備された財産権保護制度は、社会全体における技術革新と新規ビジネス創出にエネルギーと活力をもたらし、更に資源配分と利用の効率を高める効果がある。
この度の国務院常務会議では、財産権保護制度を整備し、各種財産権を法に則って全面保護することは、経済制度の現代化と、社会主義市場経済体制の健全化における重要事項であり、そして、それは市場の担い手による技術革新と新規ビジネス創出への新しい活力と投資意欲を向上させ、新しい原動力を作り出し、開放政策の拡大を促進し、経済の継続的かつ健全な発展を推し進める助けになるものであると指摘した。
現在、中国経済は粗放型成長（労働力、資本、資源の量的拡大による成長）から創新駆動成長（技術革新による成長）への転換期を迎えている。健全な財産権保護制度は、各市場の担い手の持久性と信頼性の向上を促進することになる。
中国政府が各種財産権保護を高く重視し、知的財産権を例にとると、２０１４年の時点で北京、上海、広州に知的財産裁判所が設置され、今年は更に南京、蘇州、成都、武漢にも知的財産権問題を集中的に審理する法廷が設置されている。
コピー商品などの権利侵害に対する法に基づく厳格な取り締まりを行い、違反者に重い代償を支払わせることによって、ビジネス環境を絶え間なく改善していくことは、中国の知的財産権保護を「新常態」へと変えていくことになる。中国では現在、知的財産権侵害者への集中的な取り締まりを行う強い姿勢が全国規模で形成されている。
最近のデータによると、２０１７年の上半期における、全国の特許侵害での行政処分案件は１５，４１１件で、昨年同期比２３．３％増加している。また今年９月には１２の部署が連名で「外資企業知識財産権保護の実施案」を発表している。
今年の国慶節期間には、江蘇省南通市のスーパーマーケットにおいて、スターバックスコヒーの偽物商品が販売されているとの通報を受けた当局が調査を行い、この店舗による商標侵害商品の販売が確認され、即刻処分が行われた。
また中国税関によると、今年以来、中米両国税関の共同取り締まりによって、１５６０件以上の対米輸出品が商標侵害で摘発されている。
米国アブロ社知的財産権部のウィリアム・マンスフィールド部長は新華社の取材を受けた際に、中国の知識財産権保護の仕組みは中国の国情にあったもので有効性があり、また中国はこの方面ですでに多くの事をしていると述べた。
この度の国務院常務会議では、上位法令に抵触、または財産権保護に不利益が生じる各種法規を早急に整理、修正または廃止していくこと、また法に基づく行政を推し進め、恣意的な法執行を厳重に戒め、法律による保護を拡大し、合法的な財産権が侵害された者が損失を回復出来るようにすることが表明された。
知識財産権を侵害するコストが低く、それを保障する為のコストが高いという問題に対しては、中国は今後「インターネット＋」の運用を推し進める中で、トレーサビリティ、リアルタイムモニタリング、オンライン識別などの手法を通じて知的財産権の保護を強化していく。また権利侵害における懲罰的損害賠償制度を早急に確立することや、優位性のある産業において、地域による知的財産権保護のメカニズムシを集中的に作り出すことで、簡潔かつ低コストな権利保護の仕組みを作り上げていく。
中国政法大学の李曙光教授は、財産権保護は平等性、全面性、遵法性、共同参与、表面的問題と根本的問題の同時解決という原則を堅持し、常態化された保護システムを確立していく必要があると述べ、また「改革の深化に伴って、技術革新と権利保護のコストが釣り合わないという問題に、根本から状態を逆転させなければならない」と語った。
李曙光教授は、「財産権保護の考えを交通規則と同じように人々の意識に深く刻み込ませるようにしなければならない」と述べ、また中国は、法に基づき様々な財産権の問題を処理していく気概も決心もあると述べた。
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