【新華社キャンベラ11月10日】アジア太平洋経済協力(APEC)第25回非公式首脳会議が間もなくベトナムのダナンで開かれるのを受け、オーストラリア国立大学東アジア研究所所長のピーター・ドライスデール氏は記者に対し、反グローバリゼーションの風潮が氾濫している現在、APEC創設の際に依存していた多国間主義と経済一体化の原則は依然として適用でき、APEC参加国・地域の首脳陣はダナン会議の中でこれらの原則を堅持する立場を明確且つ確固とした態度で伝えるべきだとの見方を示した。
ドライスデール氏は、過去1年の間、米国などの工業化国家の経済データはいくらか好転したが、これらの回復は依然として緩慢で脆弱であり、同時に、北米や欧州の一部先進国の政治分野では、グローバル化に対する厳しい試練が生じており、経済分野においても多国間主義の堅持は喪失したかのようであり、「これらの試練は非常にはっきりしたものであり、どのように対応するかはAPECが必ず答えなければならない問題である」と述べた。
ドライスデール氏は、「中国を含むアジア国家の動向はとりわけ注目されるだろう。なぜならアジアの経済体はすでに世界経済の核心部分の一部になっており、中国、東南アジア経済体などはすでに伝統的な工業化国家に対しますます強大な試練を形成しているからだ」と指摘した。
ドライスデール氏は、APECダナン会議の最も重要な役割は、立場を確固とし、少しも曖昧にすることなく多国間主義、貿易自由化、経済一体化の原則を擁護することであり、これらの原則はAPECの自立の根本であり、アジア太平洋地域が繁栄するための重要な条件であると見ている。もしこれらの原則を擁護するAPECの立場に断固さと明瞭さが欠けるなら、APECの未来は苦境に面することになるだろう。
ドライスデール氏は、APECが発足した当初の目的は、互いに促進し合う貿易自由化、経済一体化のプラットフォームを構築することだったとし、目下、アジア太平洋の経済体は様々な手段を通してこの目標に向かって努力しているとの見方を示した。
ドライスデール氏は現在の反グローバリゼーションの思潮を振り返り、最も根本的な原因は、一部の先進工業化国家が収入分配メカニズムをしっかりと管理できておらず、「一部の人がグローバル化の過程の中で見落とされており、国際貿易の成果が各群体の中において公平に分配されていない」ことにあると考えている。
ドライスデール氏は、「現在地域経済の開放はすでに現実となっており、各方面はさらに努力してこのシステムを守るべきである」と述べた。
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