日本の家電業界が揺れている。東芝は中心的なメモリ事業の売却を検討しており、27日にはパナソニックが再リストラを検討しているという情報が伝わった。海外メディアの報道によると、パナソニックは複数の赤字部門の人員を削減し、さらに液晶パネルの生産ラインと半導体事業の株を手放す可能性があるという。
1918年創業のパナソニックは2012年に、深刻な財務危機に陥り、大規模なリストラを行った。津賀一宏社長は当時のリストラについて「本社機能を7000人から130人に大幅縮小した」と話した。
パナソニックの今日の境遇は、日本企業の過去20年間の敗退の縮図でもある。フォーチュン・グローバル500を例とすると、日本企業は1996年の時点で99社に達し、米国と肩を並べていた。2006年には70社に、2016年には52社のみとなり、20年前からほぼ半減している。
家電業界アナリストの劉歩塵氏は記者に対して「パナソニックの近年の経営状況は思わしくなく、家電事業も半導体事業も振るわない。リストラの目的は、家電 半導体事業を徐々に縮小もしくは撤退し、別の事業に転じることだ。現状を見る限り、パナソニックの家電関連産業がグループ全体に占める割合は、すでに低くなっている」と指摘した。
パナソニックは現在、自動車部品に取り組んでいる。自動車用ライト大手ZKWグループを1000億円で買収する方針を固めており、さらには数十億ドルを投じテスラ モーターズと大型電池工場を建設した。この面積が13平方キロメートルに達する電池工場は2014年6月着工で、1月4日に稼働開始した。
閉鎖的でグローバル化に負ける
1980年代、日本経済が世界を席巻した。終身雇用制、集団主義、細部へのこだわり、勤勉で効率的な日本企業は、世界企業の学習モデルになった。
東芝、ソニー、キヤノン、パナソニックなどは、中国でもその名をよく知られた企業だ。
成功と失敗の原因は時に一致する。日本企業は従業員の強い責任感と愛社精神を誇りとし、世界の人材を順調に導入することができず、新世紀にグローバル化の波に負けた。
新浪財経日本ステーション長の蔡成平氏はかつて、次のように指摘した。
一部の大手日本企業の中国子会社は、社長から中間管理職に至るほぼすべてが日本人で、どれほど優秀な中国人社員であっても副職にしかつけない。しかも中国地区の社長は本社の中で格付けが低く、部長クラスにも届かない場合がある。大きな決定権も裁量権もなく、少しでも重要なことであれば本社に伺いを立てなければならない。
その一方で欧米企業の中国地区の社長は、往々にして本社で高い地位を占めている。業績が優れていれば、本社の副社長に昇進することもある。その業務権限と意欲は、日本企業の中国区の社長を大きく上回る。
それから多くの日本企業は、年功序列制を採用している。社員の愛社精神はこれによって強まるが、企業は苦しい時期でも新社員を雇用しにくく、しかも給与を上げ続けなければならない。
1918年創業のパナソニックは、2018年に100歳の誕生日を迎える。津賀社長はこの誕生日を迎えるため、売上10兆円以上という目標を掲げた。
データによると、パナソニックの2015年度の売上は7兆5500億円。パナソニックは2月2日に2016年度第3四半期決算(連結)の速報を発表したが、売上は5兆3500億円だった。
パナソニックの目標達成に残された時間はあとわずかだ。
(チャイナネット)
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