新華網ロンドン3月29日(新華社記者 桂涛)英国は29日、「EU離脱」手続きを開始する。英国の国民投票でEU脱退が決定してから9カ月後に「EU離脱」のスタートの号砲が鳴り響いた。
英国の「EU離脱」は英国と欧州の「両者にとって負けになる」格闘なのだろうか、それとも英国がEUの束縛から脱却し、全世界と抱擁するための必要な陣痛なのだろうか。果たしてこれはEU崩壊前に「崩れ落ちた1つ目のドミノ」なのだろうか、それとも欧州の変革を推進する適時の警鐘なのだろうか。欧州の分岐点は濃霧に覆われている。
英国とEUは移民、関税、「離脱費用」などの敏感で複雑な議題において、交渉の難度が高くなることが予測できる。世論では、今年はフランスとドイツで大統領選挙が行われる年で、再び起こり得る欧州一体化への衝撃を防止するため、EUは英国の「EU離脱」交渉で、懸命に強硬な姿勢を示して、悪事をまねようとする者を戒めるという憶測もある。
英国が以前に定めた目標に順調に照らして「EU離脱」を実現したいならば、必然的に交渉のテーブルで苦戦を強いられるだろう。 英国にとって、「EU離脱」は英国人の対外開放への決意と勇気が試される。昨年6月、英国は国民投票で「EU離脱」を決定した後、英国国内で長期間の「思想の統一」を経て、各関係者が「EU離脱」をめぐる2回目の国民投票を行うかどうか、「強硬な離脱」に踏み切るかどうか、政府と議会のどちらに「EU離脱」のスタートの号砲を鳴らす権利があるのかなどについて、最終的に合意し、英国経済も当初に予測されたほどの深刻な打撃は受けなかった。
英国が「EU離脱」をスタートしたちょうどこの時期に、世界規模で「反グローバル化」の風潮が高まり、国際貿易と投資が低迷し、貿易保護主義が台頭してきた。ある人は右翼思潮の影響のもとで、英国及びそれを模倣し追随して、「EU離脱」を選ぶその他の国が欧州と世界に開放された国の扉を閉じるのではないかと懸念している。
このほか、「EU残留」を選択したスコットランドとノースアイルランドは独立傾向が強まり、英国とEUの交渉でどんな協定が成立するかによって、「EU離脱」後に「英国からの独立」の動きが表れるかどうかが直接、決定される。このため、間もなく開始される交渉はより一層、面倒で敏感なものになると見られる。
(新華社より)
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