参考消息網は24日、スペインの王立エルカノ協会がウェブサイトで21日に掲載した記事「中国高級品経済の新たな課題」を引用し、次のように伝えた。
未来がどうなるかは予測しがたい。世界的に有名な高級品ブランドはこの10年弱に渡り、中国人消費者の高級品への旺盛な需要を満たそうと取り組んできた。ところがこの中国経済の成長率の低下による影響を受けていないはずの業界は、2015-16年に苦しい状況を迎えた。大手高級品ブランドは各自の戦略を調整し、中国経済の「新常態」に適応せざるを得なくなった。
中国は世界高級品市場(個人)の30%の割合を占めており、米国に次ぐ世界2位の高級品市場になっている。楽観的に見積もると、中国では2017-22年の5年間で高級品購入者が3000万人増加する。彼らはいずれも、中産階級だ。
中国の高級品販売額は2010-14年に45%増加した。自動車、個人用高級品、ハイレベル病院が中心となった。世界の為替変動と観光業の力強い発展、それから好調な経済データに促され、中国は米国に次ぐ世界2位の高級品市場になった。中国人消費者が高級品を購入し、高級なサービスを受ける際に、他者との違いを強調しようとする。高級品はステータスと購買力の向上を示すのだ。
小売業者もデベロッパーも投資家も、趣味のために消費する中国の中産階級を利用しようと試みている。彼らの戦略は、コントロールを喪失したような拡張により、供給を拡大し新店舗を開設し、市場の需要と中国人消費者の旺盛な食欲を満たすことだ。
これは代理購入とプロの買い手にとって、黄金の時代といえる。彼らは個人で高級品を購入し、微博(中国版ツイッター)や微信(中国版LINE)などのショップで直接販売し、高額の利益を手にする。中国政府はすぐに、この違法な市場で流動する資金が、80億ドルにものぼることに気づいた。そしてこの偽物の多いグレーな市場を対象に、一連の措置を講じている。
業界内のコンサルティング会社によると、2015-16年までに中国は30年間に渡る経済成長を維持し、個人の高級品消費が重要な段階に入った。中国経済の成長率低下に対して免疫を持っていた高級品市場も、この時期に中国全体が直面しているさまざまな課題を迎えた。これは建築業への投資の依存が減少し、消費 革新駆動型の経済成長エンジンに転じ、農村部と都市部の所得格差が調整されたことなどだ。
代理購入市場と偽物の高級品に対して、中国政府も措置を講じている。例えば税関の監督管理の強化、重要項目の税関 税収の法制度の厳格化などだ。また輸入関税を引き下げ、「メイド イン チャイナ」を支持することで、国内の取引を促している。これは高級品業界の発展を緩やかにした。