米メディアは2月20日、数十年にわたり、欧州株価はウォール街と歩調を合わせてきたが、現在は中国経済の動向に左右されるようになっていると報じた。
「ウォールストリートジャーナル」ウェブサイトは2月17日、欧州経済はいま堅調な動きを見せているが、その動きは中国経済の復調と関連していると報じている。中国経済との関係が密接な欧州企業の株価は、そうでない企業よりも値動きが良い。その結果、MSCI欧州インデックス(欧州15カ国の主要企業の株式から構成されている株価指数)は、2016年2月を底値に20%上昇している。
ドイツ銀行の分析によると、中国経済との関係が密接な欧州企業(鉱工業、機械設備などの企業)の株価はこの1年、全体の株価より30%上昇した。一方、中国経済と関係の薄い業界(電信、小売、製薬関連企業)は最もパフォーマンスが悪かった。 欧州の株価は数十年にわたり、ウォール街と歩調を合わせてきた。しかし現在は中国経済の影響がますます強まっている。ドイツ銀行のストラテジストは「中国貿易の時代だ」と述べる。 欧州の株価上昇は、欧州およびアメリカの経済の改善にとって有益である。欧州経済は昨年、2008年ぶりにアメリカ経済と同様の成長を見せた。同時に、欧州地域の失業率は7年ぶりの低さとなった。
欧州の株価上昇の多くが中国と切っても切れないものだ。 アメリカ金融データソフトウェア企業は、欧州の上場企業が中国から直接得た利益は全体の5~6%を占めるにすぎないと分析する。しかしグローバル経済周期やコモディティ価格、リスク資産のニーズから生じる巨大な影響からみれば、欧州企業に対する中国の影響力はさらに大きなものとなる。
2016年初頭、中国株価の下落と人民元安に対する投資家の憂慮によって、欧州の株価は大暴落した。これもまた両者の関係を説明するものとなっている。世界第2位の経済大国である中国の不振に対する憂慮から、2016年の最初の6週間におけるストックス欧州600指数は17%下落した。これはイギリス脱欧の際の下落率の倍以上である。