新華網上海2月20日(新華社/桑彤、姚玉潔)中国人民銀行は17日夜、『2016年第4四半期中国通貨政策執行報告』を発表した。「リスク」と「バブル」が高頻度で提起されたこの報告書は、2017年は金融リスクの防止をより重要な位置に据えられると伝えた。
報告書によると、2016年の社会融資規模は17兆8千億元増加し、前年同期比で2兆4千億元増となった。増加の原因は主に次の点による。第一に、実体経済向けの人民元建ての貸付額が大幅に増加し、個人住宅融資の増加が目立った。第二に、企業債券融資がやや増加し、株式融資が前年同期比で大幅に増加した。第三に、委託貸付と貸付信託が著しく増加した。
昨年の大きな流動性が発端となった一連の外部委託業務の拡張とレバレッジ効果の拡大によって、中国経済に表れた構造的な矛盾の一つは仮想経済と実体経済が分離したことだ。金融分野と不動産分野で資産バブル(現象)が発生して非実体経済に過剰な発展資源が集中し、新エネルギーを増加するための拠り所になる基盤がひどく脆弱になった。
天風証券の劉煜輝チーフエコノミストは、資産バブルによって生じる最も重要なリスクは通貨の価格設定に与える大きな打撃だと指摘する。資産は流動性が増すほど実体と遠ざかり、境内外の資産価格の格差がますます大きくなり、重大なリスクを引き起こす。 報告書はまた、企業の債務リスク、銀行資産の質と流動性の推移、株式市場の異常な変動、保険資金の運用、不動産バブルリスク、インターネット金融、越境資金の流動、業界と市場の枠を越えたリスクなどの分野に対するリスクモニタリングと分析を強化することを提起している。
また、近年は中国の銀行の貸借対照表に計上されない財テク業務も急成長している。中国人民銀行の統計によると、2016年末時点の銀行業の計上されない財テク資産は26兆元を超え、前年同期比で30%超増加し、同期比で貸付金の増加率は約20ポイントに達したが、計上されない財テク業務のリスクはさらに効果的な識別と制御が欠けている。中央銀行は2017年第1四半期の評価時から、計上されない財テク業務を広義の信託貸付範囲に正式に加え、金融機関が計上されない業務のリスク管理を強化するように合理的に導いている。
専門家は次のように指摘する。穏健な通貨政策は、流動性を合理的かつ適度に維持し、価格と生産の安定、金融の安定を形成するために適切な通貨金融環境を保護するためにプラスになる。資産価格バブルを防止するために、慎重なマクロ経済政策と通貨政策の連動は不可欠で、「通貨政策+慎重なマクロ経済政策」という2本柱の政策枠組みの役割をより適切に発揮する必要がある。
方正証券の任澤平チーフエコノミストは次のように説明する。中央銀行は経済の安定した回復に強い自信を示している。不動産市場と債券市場をコントロールした後、銀行は実体経済に対する貸付額を増加し、企業の収益改善によって、数年前から見送られていた設備資本の支出が大幅に増加し、外需の改善と人民元の為替レートの低下によって、輸出の回復が促進された。第1四半期の信用貸付と投資が予測を上回った点を考慮すると、この時期の経済回復の勢いは今後も継続すると予想される。
(新華社より)
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