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中国スマホ、値上げの背景
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2017-02-20 10:34:17 | チャイナネット | 編集: 王珊寧

シャオミ、魅族、楽視など、安さを売りにする中国スマホメーカーが相次いでローエンド機種の値上げを行っている。値上げ幅は数十元から100~200元までそれぞれだ。ネットとの連携を重視したスマホモデルが流行してから数年が経つ中、国産スマホがまとまって値上げするのは今回が初めてのことである。 

では、その背景はどんなものなのか。今後のスマホ市場での争いは新たなステージに入るのだろうか。

 

メーカーを圧迫するコスト上昇 

アップルやサムスンなどハイエンドスマホと比べてコストパフォーマンスが極めて高い中国の国産スマホは、多くのユーザーの支持を集めてきた。その価格競争はすでに消耗戦に転じ、ハードウェアでの利益をゼロにしたり、マイナスに設定したりするメーカーすら現れていた。いわゆるエコシステムによる収益を確保することで、価格面での競争力を高めようとしたのだ。 

競争の激しい巨大市場で、値上げでもすれば転落は必至。だからこそ、これまで国産スマホは、値下げセールをしても値上げすることはなかった。では、どうして今になって値上げという選択を採る国産スマホメーカーが増えたのだろうか。

アナリストは、その要因を2つ挙げる。第一に、上昇を続ける部品価格。第二に、為替変動率の影響だ。 

今のところ国産スマホメーカーは、チップ、メモリー、液晶パネル、電池など多くの部品を輸入に頼っている。昨年後半からすべての電子産業で部品の不足や価格上昇がみられた。加えて人件費コストやオンライン・オフラインのチャネルコストも上がっている。

さらに人民元安が加わることで、多くのメーカーのコストが大幅に上昇したのだ。 普段に上昇するコスト。そしてほぼ原価、あるいは赤字での販売価格。存続も危うい状況の中、値上げが国産スマホメーカーの唯一の生存手段になったのだ。

 

市場の成熟で競争も新たなステージへ 

さらにカギとなる背景に、世界のスマホ業界は大量生産から成熟へと向かっていることが挙げられる。 

市場研究機関のIDCが発表した最新データによると、世界のスマホ販売数は2016年通年で14億7000万台。2015年の14億4000万台と比較して2.3%増にとどまった。中国、アメリカ、ブラジルなどの大市場は、2016年にピークを迎え、これまでの急増が見られなくなっている。スマホは現在、多くの市場で普及が終わり、成熟時代を迎えている。 

成熟時代には、スマホ市場におけるゲームのルールも変わる。 

まず、コストが高騰し続けていることから、価格戦を続けるのは困難である。スマホメーカーは、赤字で売ってまでユーザーを惹きつけるべきでない。千元スマホ市場も理性的な市場環境に戻るべきだ。これはメーカーが生存し続けられるかどうかのカギになるものだ。 

次に、ユーザーの求めるレベルが不断に高まり、技術が不断にバージョンアップしていく成熟市場において、ユーザーはますますより良い製品とエクスペリエンスを求めるようになっている。メーカーは顧客志向に努め、製品の技術革新に努める必要がある。従来の、過度に安さを売りにするやり方を改め、品質の高さとユーザーエクスペリエンスの向上を目指すべきだのだ。 

いうまでもなく、量を売ってなんぼのローエンド製品より、ミドルエンド、特にハイエンドの市場こそが、スマホメーカーにとって販売数と利益面で高い業績を狙える場所だ。成熟市場の時代において、これまで何台ものスマホを使ってきたユーザーは、価格を重視することなく、ブランド、品質、サービス、技などを総合的に勘案した「ブランド価値」にお金を払うようになる。そしてよりハイエンドな製品を好むようになる。この1年、OPPO、vivoなど国産スマホメーカーはミドルエンド、ハイエンド市場で存在感を見せた。ハイエンド市場の大きな価値を改めて証明した。 

国産スマホの横並び値上げの背後について、メーカーが考えるべき問題はもっと多いだろう。スマホ業界すべてが、新しいステージを迎えつつある。

 

(チャイナネット)

 

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新華網日本語

中国スマホ、値上げの背景

新華網日本語 2017-02-20 10:34:17

シャオミ、魅族、楽視など、安さを売りにする中国スマホメーカーが相次いでローエンド機種の値上げを行っている。値上げ幅は数十元から100~200元までそれぞれだ。ネットとの連携を重視したスマホモデルが流行してから数年が経つ中、国産スマホがまとまって値上げするのは今回が初めてのことである。 

では、その背景はどんなものなのか。今後のスマホ市場での争いは新たなステージに入るのだろうか。

 

メーカーを圧迫するコスト上昇 

アップルやサムスンなどハイエンドスマホと比べてコストパフォーマンスが極めて高い中国の国産スマホは、多くのユーザーの支持を集めてきた。その価格競争はすでに消耗戦に転じ、ハードウェアでの利益をゼロにしたり、マイナスに設定したりするメーカーすら現れていた。いわゆるエコシステムによる収益を確保することで、価格面での競争力を高めようとしたのだ。 

競争の激しい巨大市場で、値上げでもすれば転落は必至。だからこそ、これまで国産スマホは、値下げセールをしても値上げすることはなかった。では、どうして今になって値上げという選択を採る国産スマホメーカーが増えたのだろうか。

アナリストは、その要因を2つ挙げる。第一に、上昇を続ける部品価格。第二に、為替変動率の影響だ。 

今のところ国産スマホメーカーは、チップ、メモリー、液晶パネル、電池など多くの部品を輸入に頼っている。昨年後半からすべての電子産業で部品の不足や価格上昇がみられた。加えて人件費コストやオンライン・オフラインのチャネルコストも上がっている。

さらに人民元安が加わることで、多くのメーカーのコストが大幅に上昇したのだ。 普段に上昇するコスト。そしてほぼ原価、あるいは赤字での販売価格。存続も危うい状況の中、値上げが国産スマホメーカーの唯一の生存手段になったのだ。

 

市場の成熟で競争も新たなステージへ 

さらにカギとなる背景に、世界のスマホ業界は大量生産から成熟へと向かっていることが挙げられる。 

市場研究機関のIDCが発表した最新データによると、世界のスマホ販売数は2016年通年で14億7000万台。2015年の14億4000万台と比較して2.3%増にとどまった。中国、アメリカ、ブラジルなどの大市場は、2016年にピークを迎え、これまでの急増が見られなくなっている。スマホは現在、多くの市場で普及が終わり、成熟時代を迎えている。 

成熟時代には、スマホ市場におけるゲームのルールも変わる。 

まず、コストが高騰し続けていることから、価格戦を続けるのは困難である。スマホメーカーは、赤字で売ってまでユーザーを惹きつけるべきでない。千元スマホ市場も理性的な市場環境に戻るべきだ。これはメーカーが生存し続けられるかどうかのカギになるものだ。 

次に、ユーザーの求めるレベルが不断に高まり、技術が不断にバージョンアップしていく成熟市場において、ユーザーはますますより良い製品とエクスペリエンスを求めるようになっている。メーカーは顧客志向に努め、製品の技術革新に努める必要がある。従来の、過度に安さを売りにするやり方を改め、品質の高さとユーザーエクスペリエンスの向上を目指すべきだのだ。 

いうまでもなく、量を売ってなんぼのローエンド製品より、ミドルエンド、特にハイエンドの市場こそが、スマホメーカーにとって販売数と利益面で高い業績を狙える場所だ。成熟市場の時代において、これまで何台ものスマホを使ってきたユーザーは、価格を重視することなく、ブランド、品質、サービス、技などを総合的に勘案した「ブランド価値」にお金を払うようになる。そしてよりハイエンドな製品を好むようになる。この1年、OPPO、vivoなど国産スマホメーカーはミドルエンド、ハイエンド市場で存在感を見せた。ハイエンド市場の大きな価値を改めて証明した。 

国産スマホの横並び値上げの背後について、メーカーが考えるべき問題はもっと多いだろう。スマホ業界すべてが、新しいステージを迎えつつある。

 

(チャイナネット)

 

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