新華網ロンドン2月15日 (記者/張家偉)英国の研究員は13日、英科学誌『ネイチャー·生態学と進化論』で、海溝に生息する端脚類動物の体内から極めて高濃度の残留性有機汚染物質が検出され、このうち、多数の国で使用が禁止されている一部の有機化合物が含まれていると報告した。
アバディーン大学、ニューキャッスル大学、ジェームズ・ハットン研究所の研究員が太平洋のマリアナ海溝及びケルマデック海溝から採集した端脚類動物のサンプルを検査した。上記海溝の深度は1万メートル以上となっている。その結果から、これらの動物の身体に極めて高濃度の残留性有機汚染物質が含まれていることが示された。例えば、ポリ塩化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテルなどで、これらの物質は絶縁材料と耐火性材料として使用される。
研究員の説明によれば、1930年代のポリ塩化ビフェニルの商業化された大量生産から1970年代の使用禁止まで、これらの化合物の全世界の総生産量は約130万トンに上る。このうち、一部は産業事故、汚染排出、廃棄物埋設後の汚染物質の漏えいなどによって、環境を汚染している。自然溶解し難いため、これらの化合物は長期的に環境の中に浸透していく。
推測によると、これらの汚染物質は海底に沈んだ汚染されたビニール片と動物の死骸を通じて海溝に付着した後、端脚類動物によって食用にされて最終的に汚染物質が深海生物の食物チェーンに絶え間なく加えられて蓄積される。
報告書の作成者の一人であるニューキャッスル大学の学者、アラン・ジャミーソン氏は、次のように指摘する。多くの人々は深海は人類の影響が及ばない遠く離れた原始浄土だと認識しているが、新しい研究によって、事実は全くことなることが判明した。現時点でこの汚染レベルのより広範囲の生態システムに対する影響の度合いは依然として明らかではないが、今後にかけてこの方面の研究をさらに進めていく必要がある。
(新華社より)
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