四川省西部の文献修復センターの事務所内には、全国各地から集められた修復を待つ古文書・拓本・書画が並べられている。デスクには筆、刷毛、鎚、鉛の重りなどの道具が置かれている。若い職員たちは、静かに自分の席に座り、古文書修復作業に従事している。
破損が深刻でページがめくれないほど貴重な古文書が、彼らの手によって新たに生まれ変わるとは、一般人にとっては神秘的で複雑な作業に見える。書籍は数百年の時を経て、虫やネズミに食われ、カビが生え酸化するなどし、破損状況は千差万別となっている。彼らは化学 生物 書道 美術などのほか、さらに材料や筆跡などの知識を持たなければならない。
古文書修復は現在、ニッチな業界となっている。彼らは「大国の匠」という栄誉を授かっているが、その裏には目に見えない多くの苦労がある。古文書を取り外す際に、大昔のほこりや虫卵などにさらされ、くしゃみ、鼻炎、アレルギーなどの反応を起こすことは珍しくない。丸一日も座りっぱなしのため、ほぼすべての職員が頚椎 腰椎の疾患を患っている。また彼らは低所得で、若者にとって魅力的な職業ではない。毎年多くの実習生が同センターを訪れるが、実習を終えると多くの学生がこの業界を離れる。残されるのはごくわずかで、多くの人が副業や趣味としている。
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