環球時報が先週末、「中韓の観光客が利用する日本のアパホテルに右翼の背景」と伝えると、多くの注目を集めた。中国人が日本で開く旅行会社、華王国際株式会社は16日、アパホテルとのすべての事業提携を解消すると発表した。今月宿泊を予定していた十数人の中国人客も、同ホテルを利用しないと自ら申し出た。多くのネットユーザーは国内の旅行サイトに対して、アパホテルを削除するよう求めている。「日本のアパホテルを利用しないでください」韓国人も16日、SNSで同ホテルに反対する声を上げた。
華王国際株式会社は2013年に設立された、中国のVIP客の自由旅行の需要を満たす会社だ。同社はアパホテルに右翼の背景があることを知らなかったことから、3年前より事業提携を開始した。少なく見積もっても、毎年1000人弱の中国人客を宿泊させていた。同社の賈正飛社長は16日、環球時報の記者に対して「アパホテルの右翼の背景に関する記事と動画を見たあと、直ちに社内の同僚と会議を開いた。内容が事実であることを確認すると、即座に同ホテルとのすべての事業提携を解消することを決定した。アパグループの元谷外志雄CEOが客室内の右翼書籍を撤去し、謝罪するまでこの措置を続ける」と述べた。
賈氏は環球時報に対して「これは汚らわしいことだ。英語版と日本語版で中国語版のみなかったが、中国人以外のすべての宿泊客に間違った情報を伝えようとしていることは明らかだ。団体2組の十数人の観光客が、今月17−24日にアパホテルの宿泊を予定していた。観光客は右翼の背景があることを知り、自らキャンセルを申し出た。違約金を支払い、別のホテルを予約し直すとした。中国人に気骨があり、私は感動した。観光客が違約金の支払いを望まない場合、当社が負担する。当社は現在、別のコストパフォーマンスの高いホテルを探している」と話した。
ネットユーザーは同ホテルで、元谷氏が「藤誠志」というペンネームで執筆した書籍を購入し、動画を撮影しSNSで投稿し、「これは誰もが知るべき事実だ」とコメントした。本件は韓国社会でも注目されている。韓国SBSテレビ(電子版)は、日本のホテルの客室内に置かれている、日本軍の慰安婦問題を否定する右翼書籍が騒動を起こしていると報じた。韓国人はツイッターで「日本のアパホテルを利用しないでください」「訪日旅行では同ホテルのすべてのチェーン店を避けること」と投稿している。
清華大学国際関係研究院の劉江永教授は16日、環球時報の記者に対して「本件は個別のケースに見えるが、この時期での発覚は、安倍首相の政権運営により日本の政治の右傾化が進んでいること、それから中日関係の懸念すべき側面を反映している。安倍首相は中日関係を全面的に改善すると表明し、また訪日中国人客の増加を両国の関係改善の象徴としているが、日本にはさまざまなよからぬ下心を持つ勢力が存在する」と指摘した。
(チャイナネット)
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