貧困撲滅に取り組む国際組織「オックスファム」が16日に発表した研究報告書によると、ビル ゲイツ氏や「株の神様」と呼ばれるバフェット氏を始めとする世界で最も裕福な富豪8人の資産額が、世界人口のうち所得の低い半分に相当する36億人の資産額と一致するという。世界の貧富の格差が拡大している。
貧富の差が拡大
フォーブス誌の長者番付によると、世界で最も裕福な8人は、マイクロソフト創業者のビル ゲイツ氏(純資産額は750億ドル)、ZARA創業者のアマンシオ オルテガ氏(670億ドル)、株の神様ことバフェット氏(608億ドル)、グルポ カルソ創業者のカルロス スリム氏(500億ドル)、アマゾン創業者のベゾス氏(452億ドル)、フェイスブック共同創業者のザッカーバーグ氏(446億ドル)、オラクル会長のエリソン氏(436億ドル)、ブルームバーグ創業者のブルームバーグ氏(400億ドル)。
オックスファムによると、昨年の傾向は2015年の報告書とほぼ一致した。2015年には世界で最も裕福な富豪67人の資産額が、世界人口のうち所得の低い半分の資産額と一致していたが、2016年には貧富の格差がさらに拡大し8人となった。
貧困層の資産額がゼロ成長
オックスファムによると、貧富の格差が拡大しているのは、富豪の資産が急増しているが、貧困層の資産が減少しているからだ。フランスの経済学者のトマ ピケティ氏は米国を例とし、「米国社会の所得の低い50%の人口の、30年間に渡る実質的な所得増加率は0%に近かった。しかし米国の最も豊かな1%の所得は300%以上も増加した」と指摘した。
報告書によると、貧富の格差の階級の逆転が、ますます困難になっている。今後20年間で、世界トップ500の富豪が後継者に残す資産総額は2兆1000億ドルを超える見通しで、インドの1年のGDPを上回る。
税制で平等な所得を促進
報告書は、資源分配構造の乱れは、主に不公平な税制、企業の功利的な文化、縁故資本主義の悪循環などが原因と指摘した。
オックスファムは報告書の中で、貧富の格差を縮小する行動により、格差拡大に歯止めをかけるよう各国政府に呼びかけた。また税制から着手し、「富豪と企業」の税率を高め、脱税を防止するよう提案した。
オックスファムは昨年の報告書で、一部のグローバル企業と富豪 エリートが資産を「オフショア脱税天国」に移しており、これにより政府が「貧富の格差の解消に使える貴重な資源」を失ったとしていた。
(チャイナネット)
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