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2016年の中国経済10のハイライト GDP4倍化目標を前倒しで実現
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-12-15 10:29:18 | チャイナネット | 編集: 郭丹

   2016年は世界経済が振るわないなか、中国経済の異例とも言える好調ぶりが光った。2016年は中国にとって小康社会の全面的建設に向けた重要なスタートの年であり、供給側構造改革の難題に挑む年でもあった。経済運営は合理的範囲を維持し、「十三五」計画(第13次5カ年計画、2016~20年)の良好なスタートを実現、経済発展には多くの注目すべき点があった。

  (1)経済成長:国内総生産(GDP)4倍化目標を前倒しで実現

   2016年の中国経済は安定的に推移し、年間のGDP成長率は当初の目標通りの6.7%前後となる見通しだ。2016年のGDP総額は2000年の約4.22倍となる見通しで、第16回党大会で提起した「2020年までにGDP総額を2000年比で4倍にする」という目標を4年間前倒しで実現した。これは中国経済で今年最大の注目すべき点だ。

  (2)経済構造の高度化:ポスト工業化時代への移行

   2016年は中国の経済構造が一段と高度化した。「十二五」計画(第12次5カ年計画、2011~15年)期間に、中国のサービス業は大きく発展した。2015年に、GDPに占めるサービス業の付加価値は50.5%に達し、初めて5割を超えた。2016年1-9月には、この比率は52.8%に上昇。経済成長への寄与率は2015年の54.1%から58.5%に上昇し、中華人民共和国建国以来の最高水準を更新した。中国経済は工業主導型からサービス業主導型、すなわちポスト工業化時代への重大な転換期に入った。

  (3)消費:中国の市場規模は世界2位

   2016年は消費が中国の経済成長の最大の原動力となった。2010年以降、中国の最終消費支出がGDPに占める割合は持続的に上昇し、2015年には52.4%となった。2016年1-9月のGDP最終消費支出割合は55%前後まで上昇。GDP成長への寄与率は2015年の66.4%から71%まで急上昇した。2016年は、中国の消費財の市場規模は世界2位、最終消費支出が世界全体の消費に占める割合は8%を越え、米国との差は顕著に縮小した。消費は中国経済のバラストとなり、経済成長のけん引効果は一段と大きくなった。中国経済の成長モデルはすでに、投資主導型から消費主導型に転換したと言える。

  (4)ニューエコノミー:世界最大のデジタル大国

   2016年は中国のニューエコノミー、新業態が急速に発展した。モバイルを含むネットユーザーの規模から見ても、中国は世界のデジタル大国となっており、デジタルビジネスで巨額の収益を上げている。デジタル経済は企業をつなぎ、生産効率の向上、最終消費のけん引、貿易範囲の拡大を促した。2016年1-9月は、中国のネット通販売上額は前年同期比25.1%増加。増加率は社会消費財売上額を14.7ポイント上回り、国内消費の起爆剤となった。

   (5)イノベーション:世界最大の特許取得国

   2016年は中国の知的財産の創出が急増した。中国の発明特許申請件数と取得件数は2015年に世界一に躍進。2016年1-7月に中国の特許取得件数は前年同期比で49.5%増加、年間では50万件を突破する見通しとなった。特許取得件数が1年で50万件を突破する国は中国が初めてだ。

   (6)創業就業:新規就業者数は世界最大規模

   2016年1-9月期の中国の新規就業者数は1067万人、年間では1300万人を突破する見通しだ。年間目標を上回るとともに、中高速の経済成長という条件の下で1300万の雇用を創出できる見込みとなった。2016年9月末の中国の失業率は4.04%と年間コントロール目標を下回り、世界の主要経済国でも失業率が最低水準の国の1つとなった。

   (7)所得増加と貧困撲滅:1人当たり可処分所得はハイペースで増加、貧困者削減は世界記録

   経済の安定発展に伴い、中国人の生活水準と質は全体的に向上している。2016年1-9月の中国の住民1人当たり可処分所得は増加が続き、物価要因を除いた増加率は都市部が5.7%、農村部が6.5%と、世界で最もハイペースに所得が増加する国の1つとなった。

   2016年に、中国は貧困者減少に向けた「十三五」計画を発表した。年間で1000万以上の貧困者が減少する見通しで、これは国際社会が提起した年間5000万人の貧困者削減目標の5分の1に相当する。

   (8)生態環境保護:グリーン発展が加速、環境の質が改善へ

   2016年は中国での資源消費、環境汚染、生態学的コストが大きく低下した一方で、経済発展の質と環境効率が大きく上昇し、2020年の環境改善目標実現に有利な条件が整った。2016年1-9月期の中国原炭生産量は前年同期比10.5%減、二酸化炭素排出量は2015年に続きマイナス成長となり、世界の炭素排出量削減に大きく貢献した。

   (9)海外進出:対外投資で世界に富と雇用機会を創出

   2016年に中国の対外投資は急速に増加した。1-9月の対中直接投資は950.9億米ドルだった。対外直接投資は1342.2億米ドルと前年同期比で53.7%増加し、世界の160の国と地域に広がった。中国企業の海外M&A取引額は674.4億米ドルで、67の国と地域の18産業に及んだ。対外請負工事の新規契約額は1478億米ドルのうち、「一帯一路」関連61カ国での新規契約額は745.6億米ドルと50.4%を占め、その進捗と成果は予想を上回る。中国の対外投資は急増しており、世界最大の対外投資国の1つとなったうえ、関連諸国にも大量の富と雇用機会を創出している。

   (10)世界経済ガバナンス:世界経済の発展に「中国のプラン」を提起

   2016年は中国が世界の経済ガバナンスに全面的に参画する年となった。中国は自国の発展により世界の発展を推進し、「創新、活力、連動、包摂」の世界経済構築に向け「中国のプラン」を提起した。

   中国はG20杭州サミットの議長国として多くの意見と行動計画を提起。なかでも「G20グローバル貿易成長戦略」と、「G20グローバル投資指導原則」などの策定を推し進め、グローバル貿易の自由化、投資の自由化、サービスの利便性向上を強力に推進、世界経済の発展に向け進むべき道筋を示した。中国は世界経済のガバナンスに全面的に参画し、中国が提起した理念とプランは国際社会で広く認知され賛同を得ている。中国のプランは世界経済ガバナンスをより公正で合理的な方向に発展させるもので、世界各国の国民に幸福をもたらすものだ。(筆者:胡鞍鋼 清華大学国情研究院院長)

 

(チャイナネット)

 

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  (1)経済成長:国内総生産(GDP)4倍化目標を前倒しで実現

   2016年の中国経済は安定的に推移し、年間のGDP成長率は当初の目標通りの6.7%前後となる見通しだ。2016年のGDP総額は2000年の約4.22倍となる見通しで、第16回党大会で提起した「2020年までにGDP総額を2000年比で4倍にする」という目標を4年間前倒しで実現した。これは中国経済で今年最大の注目すべき点だ。

  (2)経済構造の高度化:ポスト工業化時代への移行

   2016年は中国の経済構造が一段と高度化した。「十二五」計画(第12次5カ年計画、2011~15年)期間に、中国のサービス業は大きく発展した。2015年に、GDPに占めるサービス業の付加価値は50.5%に達し、初めて5割を超えた。2016年1-9月には、この比率は52.8%に上昇。経済成長への寄与率は2015年の54.1%から58.5%に上昇し、中華人民共和国建国以来の最高水準を更新した。中国経済は工業主導型からサービス業主導型、すなわちポスト工業化時代への重大な転換期に入った。

  (3)消費:中国の市場規模は世界2位

   2016年は消費が中国の経済成長の最大の原動力となった。2010年以降、中国の最終消費支出がGDPに占める割合は持続的に上昇し、2015年には52.4%となった。2016年1-9月のGDP最終消費支出割合は55%前後まで上昇。GDP成長への寄与率は2015年の66.4%から71%まで急上昇した。2016年は、中国の消費財の市場規模は世界2位、最終消費支出が世界全体の消費に占める割合は8%を越え、米国との差は顕著に縮小した。消費は中国経済のバラストとなり、経済成長のけん引効果は一段と大きくなった。中国経済の成長モデルはすでに、投資主導型から消費主導型に転換したと言える。

  (4)ニューエコノミー:世界最大のデジタル大国

   2016年は中国のニューエコノミー、新業態が急速に発展した。モバイルを含むネットユーザーの規模から見ても、中国は世界のデジタル大国となっており、デジタルビジネスで巨額の収益を上げている。デジタル経済は企業をつなぎ、生産効率の向上、最終消費のけん引、貿易範囲の拡大を促した。2016年1-9月は、中国のネット通販売上額は前年同期比25.1%増加。増加率は社会消費財売上額を14.7ポイント上回り、国内消費の起爆剤となった。

   (5)イノベーション:世界最大の特許取得国

   2016年は中国の知的財産の創出が急増した。中国の発明特許申請件数と取得件数は2015年に世界一に躍進。2016年1-7月に中国の特許取得件数は前年同期比で49.5%増加、年間では50万件を突破する見通しとなった。特許取得件数が1年で50万件を突破する国は中国が初めてだ。

   (6)創業就業:新規就業者数は世界最大規模

   2016年1-9月期の中国の新規就業者数は1067万人、年間では1300万人を突破する見通しだ。年間目標を上回るとともに、中高速の経済成長という条件の下で1300万の雇用を創出できる見込みとなった。2016年9月末の中国の失業率は4.04%と年間コントロール目標を下回り、世界の主要経済国でも失業率が最低水準の国の1つとなった。

   (7)所得増加と貧困撲滅:1人当たり可処分所得はハイペースで増加、貧困者削減は世界記録

   経済の安定発展に伴い、中国人の生活水準と質は全体的に向上している。2016年1-9月の中国の住民1人当たり可処分所得は増加が続き、物価要因を除いた増加率は都市部が5.7%、農村部が6.5%と、世界で最もハイペースに所得が増加する国の1つとなった。

   2016年に、中国は貧困者減少に向けた「十三五」計画を発表した。年間で1000万以上の貧困者が減少する見通しで、これは国際社会が提起した年間5000万人の貧困者削減目標の5分の1に相当する。

   (8)生態環境保護:グリーン発展が加速、環境の質が改善へ

   2016年は中国での資源消費、環境汚染、生態学的コストが大きく低下した一方で、経済発展の質と環境効率が大きく上昇し、2020年の環境改善目標実現に有利な条件が整った。2016年1-9月期の中国原炭生産量は前年同期比10.5%減、二酸化炭素排出量は2015年に続きマイナス成長となり、世界の炭素排出量削減に大きく貢献した。

   (9)海外進出:対外投資で世界に富と雇用機会を創出

   2016年に中国の対外投資は急速に増加した。1-9月の対中直接投資は950.9億米ドルだった。対外直接投資は1342.2億米ドルと前年同期比で53.7%増加し、世界の160の国と地域に広がった。中国企業の海外M&A取引額は674.4億米ドルで、67の国と地域の18産業に及んだ。対外請負工事の新規契約額は1478億米ドルのうち、「一帯一路」関連61カ国での新規契約額は745.6億米ドルと50.4%を占め、その進捗と成果は予想を上回る。中国の対外投資は急増しており、世界最大の対外投資国の1つとなったうえ、関連諸国にも大量の富と雇用機会を創出している。

   (10)世界経済ガバナンス:世界経済の発展に「中国のプラン」を提起

   2016年は中国が世界の経済ガバナンスに全面的に参画する年となった。中国は自国の発展により世界の発展を推進し、「創新、活力、連動、包摂」の世界経済構築に向け「中国のプラン」を提起した。

   中国はG20杭州サミットの議長国として多くの意見と行動計画を提起。なかでも「G20グローバル貿易成長戦略」と、「G20グローバル投資指導原則」などの策定を推し進め、グローバル貿易の自由化、投資の自由化、サービスの利便性向上を強力に推進、世界経済の発展に向け進むべき道筋を示した。中国は世界経済のガバナンスに全面的に参画し、中国が提起した理念とプランは国際社会で広く認知され賛同を得ている。中国のプランは世界経済ガバナンスをより公正で合理的な方向に発展させるもので、世界各国の国民に幸福をもたらすものだ。(筆者:胡鞍鋼 清華大学国情研究院院長)

 

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