英タイムズ誌ウェブサイトの1日の報道によると、英国の科学者はこのほど、核廃棄物を利用したクリーン電池を発明した。科学者らによると、これは、核廃棄物の処理やクリーン電力の生産、電池の寿命という問題を一挙に解決するものとなる。
この電池の持続時間は5000年に及び、長期性や絶対的な信頼性の必要なペースメーカーや宇宙船部品などの設備に電力を提供することができる。
ブリストル大学物理学教授のトム スコット氏は、「作動部品がなく、排ガスもなく、メンテナンスもなしで、直接の発電が可能となる。放射性素材をダイヤモンドに封入することで、長期にわたる懸念だった核廃棄物を核電池に変え、クリーンエネルギーの長期的な提供が可能となった」と語る。
英国には、9万5千トン近い使用済みの黒鉛ブロックがある。この黒鉛ブロックは、原子炉でウラン燃料棒をはめこむものとして使われている。黒鉛ブロック外表の炭素14を抽出すると、その放射性は大きく低下し、こうした廃棄物の長期的な保管費用は数十億ポンドに引き下がる。
黒鉛ブロックを加熱すると、放射性炭素の大部分はガスとなって放出される。高温化学反応を利用すると、これは放射性ダイヤモンドに転換され、炭素原子は小さな黒色ダイヤモンド結晶体の形で表面に沈積する。
ダイヤモンド電池は、20グラムの炭素14を含み、毎日300ジュールのエネルギーを放出するが、その出力は、同じ重さの単3電池を大きく下回る。だが単3電池は24時間で寿命を迎えるのに対し、ダイヤモンド電池の出力は5730年でやっとその半分となる。人類文明の歴史に匹敵する長さだ。ダイヤモンド電池は大きほど出力が大きくなるが、スコット教授によると、将来のダイヤモンド電池の多くは現在の腕時計の電池ほどになる見通しだ。
これほど長期の寿命を持つ電池の出現は、各種設備の長時間の電源供給に根本的な変化をもたらすものとなる。科学者らはNASAとすでに協議し、ハイテク企業大手との協議も控えている。科学者らはまた、英国の原子力廃止措置機関（NDA）に研究成果を報告しており、炭素14電池の実験成功が同機関による技術支援につながることを期待している。
（チャイナネット）
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