長年、韓国で最も人気の留学先は米国だった。韓国では、米国に留学することが成功の扉に足を踏み入れることと見なされてきた。しかし、近年、中国経済が急速に発展し、中韓の貿易も日に日に盛んになっていることに加え、中国の高等教育の国際化水準が向上し続けていることもあり、韓国人の留学に対する見方も少しずつ変化し、中国を理解しようと留学先に中国を選ぶ韓国人が増えてきている。韓国教育部(省)の最新統計によると、現在、米国に代わって中国が、韓国で一番人気の留学先となっている。人民日報が報じた。
北京五輪きっかけに中国を理解したい人増加
韓国教育部が発表した最新の「韓国人留学生年度現状統計」によると、今年4月1日の時点で、海外で高等教育を受けている韓国人留学生の数は計約22万3900人。うち、中国と米国に留学している留学生だけで半数以上を占めている。内訳は、中国が計約6万6700人で全体の29.8%、米国が計約6万3700人で全体の28.5%。中国が初めて米国を抜いて韓国で最も人気の留学先となった。
中国の留学教育育成機構で働いている韓国人・尹敬真さんは取材に対して、 「2008年の北京五輪以降、韓国人は中国の経済や社会などが急速に進歩しているのを目にし、中国についてもっと知りたいと思うようになった。その後、中国に留学する韓国人の学生が明らかに増えた。韓国の隣国である中国は留学の面でコストパフォーマンスが高く、メリットも多い。韓国の学生にとっては魅力が大きい」と説明する。
北京大学の博士課程で学んだ経験を持つ、韓国檀国(タングク)大学の金珍鎬教授は、「私が大学に通っていた1982年、中国語の専門学科を開設している韓国の大学は数えるほどしかなかった。しかし、今では多くの韓国の大学が中国語の専門学科を設置し、学生の間でも中国語が人気になっている。中韓の文化は似ており、両国の交流は長い歴史を誇る。韓国人にとって、中国に留学すると、現地に溶け込みやすく、留学にかかる費用も安いというメリットがある」と説明する。