新華網北京11月22日(記者/劉秀玲)日本政府が経済協力に乗じて、領土争いをめぐる交渉を推し進めようとする見通しはどうなっているのだろうか。その答えは、日本の安倍首相のロシア大統領との会談後の硬い表情から探し出すことができるだろう。
プーチン大統領は20日、ロシアの北方四島に対する主権を再び強調すると共に、日本とロシアの経済協力規模を拡大すると表明した。日本メディアはロシアはアメとムチを通じて、領土交渉の難度を下げたり、上げたりすることで、対話の主導権を掌握する意図があると分析する。プーチン大統領の12月の訪日まで1カ月足らずだが、日本とロシア間の「温度差」は縮むことなくかえって拡大し、領土問題の解決の見通しは立っていない。
【ロシアは譲歩しない】
「南千島は現在、ロシアが主権を有する領土だ。」20日、プーチン大統領はペルーの首都リマで開かれた記者会見で、ロシアの領土問題に対する容易に譲歩しない強硬な姿勢を再びアピールした。
プーチン大統領は先日、1956年に署名した『日ソ共同宣言』について、ロシアと日本は平和条約を締結後、ロシアは歯舞、色丹2島を日本に引き渡すと宣言したが、「どのような理由で引き渡し、主権の帰属にいかにして対処し、いかなる条件のもとで引き渡すかについて、宣言に明確に記載されていない。」と指摘した。
ロシアの一般の民衆も領土返還に反発。
共同通信社は、ロシアを領土問題で譲歩させることは非常に困難だと分析する。プーチン大統領の姿勢を見ると、ロシアは主権を渡さない状況でロシアと日本の領土問題を解決することを希望している。
【語気を和らげる】
19日にプーチン大統領と会談後、安倍首相は厳しい表情で記者の前に現れた。安倍首相は領土問題を解決することは「容易ではない」と断言した。
共同通信社の報道によると、同日の会談でプーチン大統領は経済制裁によって、ロシアと日本の今年上半期の貿易額が大幅に減少したことに不満を示し、8つのプロジェクトの経済協力を着実に推進するように双方に呼びかけた。
報道ではまた、双方の政府が主導する医療、人員交流などの分野での協力はある程度、進展しているが、日本の民間企業は経済制裁で生じる不透明性を懸念し、ロシアへの投資に依然として慎重な態度を見せていると指摘された。外務省の元高官は欧米の経済制裁を回避して実施する経済協力は長期的に継続しないだろうと指摘する。日本側にも経済協力に依存するだけでは、領土問題の解決を促進できないのではないかと懸念する声もある。
共同通信社は日本とロシア関係の専門家の意見を引用し、次のように報じている。ロシアは安倍首相が12月の首脳会談で領土交渉で成果を上げることを希望していると判断し、機会に乗じて、ロシアとより大規模な経済協力を展開することを日本に迫る意向がある。具体的には、ロシアは日本に資金を提供させ、ロシアが油ガス田を開発するために援助することだが、日本は現在、民生に関する協力プロジェクトを通じて、ロシア民衆の領土返還への支持を得ることだけを望んでいる。
(新華社より)
推薦記事: