昼前の午前11時、浙江省衢州市街地繁華街の路地の入口にあるあずまやの中で、弁当箱を持った人々が腰を下ろしていた。彼らはいずれも、無料で配られる昼ご飯を待っていたのだ。銭江晩報が伝えた。
程愛仙さん(67)は、いつもと同じように準備を始め、「今日のおかずは、白菜・豆腐・肉の煮物で、味はお墨付きだよ。お腹がいっぱいになるまで食べて下さい。でも食べ物は絶対に無駄にしないで」と人々に語りかけた。
程さんの昼食屋台は、半年余り前にオープンした。彼女は、毎月5千元(1元は約16.1円)あまりの年金から自分の生活費を引いた分を全額、ボランティアに費やしている。「私一人の力は限られているため、毎日30人分の食事しか提供できない。」と彼女は話した。
また、彼女は、「私はずっと独身で、心配事もなく気楽な身分だ。人は死んでもお金まであの世に持っていくことはできない。飲み食いや道楽にふけるのが楽しみという人もいるが、私にとっては、他人の力になることが何よりの楽しみだ。これこそ真の喜びだといえる」と続けた。
衢州では、程さんは有名人といえる。以前、彼女は両親が出稼ぎにいっている家庭の子供のための学校を開いていたことがある。安い学費さらには無料という方法をとっていたので、現地メディアに何度も取り上げられた。
それから、市街地の改造計画のため、立ち退き対象エリアに指定された学校は、閉校を余儀なくされた。これに対し、程さんは、「私は今年67歳。一人暮らしで心配事は何もない。名声が目的ではなく、私は子供たちが勉強する機会を提供したかった。誰かが私の心からの願いを叶えてくれればよいのだが」と話した。
(人民網日本語版)
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