スイスの金融グループUBSとコンサルティング大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)がこのほど共同作成した世界の億万長者に関する報告書によると、家族間での資産の譲渡、大口商品価格の値下がり、ドル高などの要因により、2015年には世界の億万長者の資産の合計が前年比6%減少したが、アジアではほぼ3日に1人、新しい億万長者が誕生しており、そのうち半分以上が中国人富豪だという。参考消息網がロイター社の報道として伝えた。
ロイター社が13日に伝えたところによると、同日発表された同番付では、億万長者の資産合計が15年は前年比3千億ドル(1ドルは約104.0円)減少して、5兆1千億ドルにとどまった。一人あたり平均は40億ドルから37億ドルに減少し、ここから商品価格の値下がりやドル高などの要因が世界の富の創造に一定の影響を与えたことがうかがえる。
新たに億万長者の仲間入りした210人のうち、米国人は5人しかいなかったが、アジアではほぼ3日に1人が誕生して113人に達し、このうち中国が80人で半数以上を占めた。
UBSウェルス マネジメントの超富裕層顧客担当部門のジョセフ スタッドラー代表は「中国は経済の伸びが鈍化しても、引き続き膨大な資産の増加がみられる注目点だ。科学技術産業の拍動に率いられる形で、中国では15年に80人の億万長者が誕生した」と話す。
報道によると、大陸部で新たに誕生した億万長者の平均年齢は53歳で、半分近くが科学技術、消費 小売、不動産の各分野の出身だ。香港では11人、インドでも11人の億万長者が誕生した。
過去20年間、世界各地の億万長者の多くが順調に富を創造し、資産の合計は7倍にふくれあがったが、今回の最新の報告書をみると、億万長者の3分の1が70歳以上と高齢になり、保有資産の合計が世界の資産総額に占める割合は40%だった。
報告書は、「ここからわかることは、まもなく世界市場で最大規模な資産の移動をみることになるということだ。アジアの億万長者の85%が一代目の富豪であることを考えると、これは歴史始まって以来初の億万長者の間での富の移動になる」と指摘する。
報告書がカバーする14市場の億万長者のうち約460人の2兆1千億ドルの資産が、今後20年間で相続人に引き継がれる見込みだ。この金額は15年のインドの国内総生産(GDP)に匹敵する。
(人民網日本語版)
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