日本経済の今年上半期の成績が明らかになった。第2四半期はほぼゼロ成長となり、先行きは暗い。ある分析によると、日本の個人消費と企業投資が共に低迷していることが経済停滞の主因だという。日本政府による経済政策の限界が明らかになるに従い、日本経済に暗雲が立ち込めている。
日本のGDPの6割を占める個人消費は、2014年に消費税率が上がってから低迷を続けており、経済回復を阻む主因の1つとなっている。今年の春闘で日本の大手企業はベースアップに積極的ではなく、国民は将来の生活に希望が持てずにいる。その結果、デフレ観測が高まっている。
また、日本の家計収入の減少も個人消費低迷の要因の1つとなっている。保険費用と所得税の度重なる上昇が国民生活を圧迫している。特に35歳未満の若年層が消費に慎重だ。また年収200万円以下の貧困層の数は2013年と比べて増加している。
加えて、日本政府が経済成長のエンジンと考えていた企業投資も低迷している。安倍首相率いる日本政府は法人税の減税を決め、日銀は年初にマイナス金利政策を採った。しかし、思ったほどの効果を上げていない。日本の企業投資は昨年下半期から一転、減少に転じた。昨年の第3、第4四半期、日本の企業投資はそれぞれ0.7%、1.2%ずつ増加していた。
日本の企業投資が増加しない理由は、第一に円高が輸出企業に打撃を与えているからであり、第二に日本企業が自国経済の安定成長に自信を持てないからである。2016年日本経済財政白書によると、2015年度の日本企業の経常利益は史上最高の71兆円となったが、企業投資はリーマンショックのあった2008年の51兆円から43兆円に減少した。2015年度の企業利潤の増加は、当時の円安と企業のコスト削減努力の結果であり、販売や生産による貢献は大きくない。
日本企業の自信不足が固定資産投資を躊躇させている。10年前と比較すると、2015年度の日本の大手企業の現金保有額は32.4%増加した。しかし固定資産投資額の増加幅は10年前の半分に留まっている。輸出の不振と国内消費市場の不振によって、日本企業は投資拡大や経営拡大などの野心が失せてしまっている。
日本政府が採れる施策はすでに限られている。日本国債市場は飽和傾向にあり、通貨政策が効果を発揮できる余地も少なくなった。最近発表された28兆1000億円の経済刺激策も、市場や国民の関心は薄かった。「日本経済新聞」の民意調査によると、61%が経済刺激策を「効果がない」と回答。「経済回復によい」としたのは24%に過ぎなかった。
金融政策と財政政策に過度に依存して実現した日本の経済成長だが、今年は本来の姿に回帰したように見える。日本内閣府は7月、2016年度の実質GDP成長率予測を1.7%から0.9%へと大幅に下方修正した。2017年度の成長率予測も2.2%から1.2%に修正した。安倍内閣が打ち出した「2%の経済成長」という目標は短期的には実現が難しくなった。構造改革が急務の日本経済にとって、アベノミクスはもはや打開策とならないようだ。
(チャイナネット)
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