ファストファッションはかつて世界で最も儲かる事業だったが、今ではGAP、ユニクロ、H&Mなどファストファッション企業の純利益がいずれも減少している。ユニクロの親会社、ファーストリテイリングの2016年度上半期決算は55.1%の大幅減益となり、H&Mの第1四半期決算は純利益が前年同期比30%減だった。最も低迷しているGAPの3月既存店売上高は6.3%減で、全体の売上高も直近8四半期連続で減少している。大手3社の低迷は、ファストファッションが中国で上手く行っていないということだろうか?
ファストファッションブランドが直面する問題
1.ブランド構築: チープシック、カジュアルはファストファッション企業が伝える製品情報
GAPの製品はカジュアルと位置づけられ、最先端ブランドに比べると非常に古く、レトロブランドと比べると斬新すぎる。市場ポジショニングのずれと生地の質の低さでH&Mは厳しい試練に直面する。ユニクロは天候が原因で減益になったと説明しているが、頻繁に発生する品質の問題による影響はなかったのだろうか?
2.製品設計にはブランドアウェアネス(ブランドの知識を与えること)も含まれる。デザイナーは当面の流行を予測し、短期間で各種の最新ファッションを打ち出すことができるが、消費者の心に根ざすブランドアウェアネスを怠り、イノベーターではなく、流行の追随者にとどまる。
3.プロモーション予算が減少
H&Mとユニクロが拡張戦略を採り、店舗開設による市場浸透を図る一方、多くのブランドは拡張ペースを減速した。GAPには最近、世界で店舗閉鎖のニュースが相次ぎ、中国事業にも非常に慎重な姿勢だ。