留学帰国者はかつて、ハイレベルと高所得の代名詞だった。しかしながら近年、大規模な「帰国ブーム」により、留学帰国者の素養に二極化が生じている。その待遇と企業への期待も、以前と比べると大きな落差がある。新華社が伝えた。
中国教育部(省)の統計データによると、中国の海外留学生の帰国率は昨年の時点で50%以上に達した。業界関係者は、海外留学の「エリート化」が「大衆化」に移り変わることで、留学帰国者は「黄金の時代」から「金メッキの時代」に移り変わっており、現在は「青銅の時代」に入っていると指摘した。留学帰国者の輝きが薄れつつあることが必然的な流れとなってきている。
◆履歴書100枚中20枚は留学帰国者、「留学赤字」現象が明らかに変化
中国の2007年の海外留学者数は14万4千人で、帰国者数は30.5%の4万4千人だった。この比率は2011年には54.8%に達し、昨年の中国への留学帰国者は52万3700人に増え、帰国者数は78.1%の40万9100人に達した。
取材によると、留学生の激増による帰国者の自然な増加の他に、中国国内の発展環境とチャンスが「帰国ブーム」を引き起こしている重要な原因であることがわかった。一部の国では就労ビザと移住のハードルが引き上げられており、これも多くの留学生の帰国を促している。また中国政府と企業は近年、海外のハイレベル人材誘致の「千人計画」、海外での人材招聘、留学生起業パークの設立などを行い、多くの留学生を帰国させている。
◆過半数が大都市で就職、地方公務員になる帰国者も
留学帰国者はどこで就職するのだろうか?彼らの間で最も人気が高いのは、やはり北京市、上海市、広州市、深セン市などの大都市だ。中国教育部が発表した「中国留学帰国就業青書2015」によると、調査対象となった留学帰国者のうち、49.34%が上述した大都市での就職を希望している。