日本の春ドラマで、「ダークホース」となった「重版出来!」は、松田奈緒子による漫画を原作とし、新人女性漫画編集者・黒沢心を主人公に、漫画家を支える編集者の仕事を描いている。その元気良さと画面からあふれんばかりのプラスのエネルギーで、決して景気がいいとは言えない出版業界にスポットを当て、中国の情報コミュニティサイト・豆瓣では、今年の日本ドラマとしては最高の9.1ポイントを獲得している。文匯報が報じた。
「重版出来!」はコミカルで新人を励ますだけのドラマと言う人は、脚本の能力を過小評価している。同ドラマは、リラックスして見ることのできるタイプだが、その中では、出版業界の抱えている課題や生き残りが難しい現状が至る所で伝えられている。
このドラマについて語る前にまず、「重版出来(じゅうはんしゅったい)」というタイトルの意味について説明しよう。出版業界では、本屋に並んでいる書物の最初の版のことを「初版」と呼ぶ。作品によって、初版を使った発行部数も異なる。実績のある人気作家の作品なら、初版で数万冊発行される。一方、新人作家の場合、初版でたくさんの部数が発行されることはあまりない。初版が完売となると、出版社は初版と同じ版を使い、増刷 重刷し、その書籍が販売されることを「重版出来」という。増刷 重刷されるということは、その書籍がよく売れているということで、出版社の編集部にとってはうれしいこととなる。「重版出来」という言葉は、出版業者が最も好む言葉で、全ての漫画編集者の目標。それがこのドラマの中心となっているテーマだ。
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