紙媒体市場が日ごとに縮小しているのを背景に、漫画業界も大きな打撃を受けており、同ドラマでは、「作家の初心」や「業界の改革」もテーマとなっている。昔人気だった漫画家は過去のような気概が見られず、新人漫画家は自信がない。ドラマの中では、編集者が電子書籍を持って、漫画家に電子版の漫画の機能を説明するシーンもたくさんある。ある回では、10年間漫画家を目指し続けているアシスタントが、新人漫画家の才能に驚き、自分の夢をあきらめ、実家に戻り家業の酒屋を継ぐ。あきらめることや第二の人生を始めることが、人生において必要な時もあるということも分かるが、漫画業界の競争の激しさも側面から描いている。
社会の中で、小さな個人が必死に努力し、生き残るために奮闘する姿は、同ドラマにおいてフレッシュな見所だ。社会の見通しは明るくなくとも、多くの人が自分の未来をこじ開けようと必死になっている。「生涯一つのことだけをし、それを極める」というのが、多くの職人の座右の銘。日本のカリスマ鮨職人 小野二郎さんも、昼も夜もすしを握り続けており、生涯鮨職人だ。
「重版出来」の中で、書籍の前では誰もが平等であるという信念を持つ田舎の本屋の店長や、自分の好きな漫画家の新作が売れるようにとネタばれは絶対に見ない本屋の店員などは皆、この業界の守り神。彼らの心がこもっているからこそ、その思いは月並みではない。
(人民網日本語版)
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