2016年夏ドラマ「神の舌を持つ男」が13日、中国のネットユーザーの間で話題になった。本来は普通のミステリードラマだが、中国人観光客が何度も出てきたのに加え、それが偏見のあるものだったため、中国のネットユーザーの不満を買うことになった。中国の研究者である周永生氏は13日、「環球時報」において、「中国イメージを過度に悪くするものであり、このような作品は疑いなく日本の民衆に悪影響を与える。彼らの嫌中感情を高め、問題を悪化させる作用がある」と述べている。
同ドラマは8日、TBSテレビで第1回目が放送された。驚異的な味覚と分析能力を持つ男性主人公が、温泉芸者の「雅(みやび)」を追い求めて日本を周遊する中、様々な事件に巻き込まれる物語だ。観光地である栃木県日光市の湯西川温泉に主人公たちが訪れるところからドラマは始まる。街の入口には中国語で「歓迎」の文字が書かれている。その後、中国からの旅行団体が登場する。小さな旗を振っている中国のガイドが、中国語で「沢山買ってくださいね」と叫んでいる。道のわきでは日本の民衆が集まり、横断幕を広げながら「よそ者は出ていけ」と叫んでいる。ドラマで「よそ者」とは外来種のホタルのことを指している。しかし、中国人観光客の直後にこのシーンが出てくるだけに、連想せざるを得ない。その後、カメラは温泉旅館内に移る。中国人観光客たちがロビーで平然と太極拳をしている。
「環球時報」の記者が数えたところ、約58分のドラマにおいて、中国人観光客や中国語の表示が見られたり、言及されたりしたのは10回以上。少なくとも中国語のセリフは6回出てきた。上記した以外にも、バスタオルをまとった女性観光客が並んで男性主人公のあかすりを待つシーンが出てくる。その後、同温泉旅館が標榜する風呂が「天然温泉」でなく普通の水道水でしかないことが暴露されたとき、「温泉の吸い上げポンプは以前から壊れていたが、中国人観光客が多くなったことからオフシーズンがなくなり、修理する機会を逃してしまった」と女将さんが涙ながらに話す。
ネットユーザーは、男性主人公である向井理は靖国神社に参拝したことがあると指摘、このドラマのボイコットを呼びかけた。日本のネットユーザーもこのドラマを評価しておらず、「主人公が舌を伸ばすのが気持ち悪い」と言う人もいる。TBSは今年5月にも、中国人を怒らすようなバラエティ番組で物議をかもしている。
外交学院国際関係研究所の周永生教授は13日、日本には様々な社会団体があるとした上で、同テレビドラマの制作スタッフが中国に対する偏見を持つ可能性を排除できないとした。日本政府の調査によると、2015年、83%の日本人が嫌中感情を持つ。当然、一部の場所でそれが現れることにもなるだろう。周永生教授は、多数の中国人観光客が日本を訪れており、一部の中国人観光客が民度の欠ける行為をすることもあるだろうとした上で、しかし日本もこれを喧伝したり、悪しざまに言うのを控えなければ、中日の民間交流に影を落としかねないと指摘している。
(チャイナネット)
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