西太平洋情勢がヒートアップを続け、南中国海も東中国海も穏やかではない。東中国海の上空で中日の戦闘機が対峙したことが、メディアによって誇張して伝えられてきたが、両国防衛当局の舌戦は収束していない。
東中国海の上空で何が起きたのか
中日防衛当局の争点は、6月17日に両国の戦闘機が東中具海で対峙した時の状況だ。
最も早く情報を伝えたのは、航空自衛隊の織田邦男元空将だ。文章によると、中国軍機は当日、東中国海の上空で空自機に「攻撃動作」を仕掛けた。空自機は「自己防御装置」、フレアを作動した。
中国国防部は7月4日、「日本側の関連言論は白黒を転倒させており、人々の耳目を惑わせている。中国軍のSu-30戦闘機2機は当時、東中国海の防空識別圏で通常の巡航を行っていた。日本のF-15戦闘機2機が高速で接近し挑発し、さらには火器管制レーダーを中国軍機に照射した。そこで中国機は戦術機動などの措置で果断に対応し、空自機がフレアを作動させ逃げた」と反論した。
萩生田光一官房副長官は7月5日の記者会見で、「中国軍用機に挑発的な行為をとったという事実はない」「火器管制レーダーを使用してロックオンを日本側からした事実もない」と述べた。フィナンシャル・タイムズなどのメディアは、萩生田氏がフレアの使用を否定しなかったことに注意した。萩生田氏は「一般的に直接的な脅威の有無にかかわらず予防的に使用する場合もある」と述べた。
初めてのドッグファイト
6日付フィナンシャル・タイムズは、「日本と中国の間で、空戦が勃発しかねなかった。中日の衝突がより挑発的になることが懸念されている」と報じた。
中日が「空戦」に近づいていると判断したメディアは、フィナンシャル・タイムズだけではない。中国軍機が当時南下し、釣魚島に向かっていたことから、インド通信社「Press Trust Of India」はこれを「中日の戦闘機の、係争中の島の上空における駆け引き」と形容した。オンライン雑誌『ザ ディプロマット』は6日、中日の戦闘機の東中国海上空における近距離の対峙は、「混戦」に近かったと報じた。
日本で放送された報道番組で、ある日本人学者は、「中国と日本の首脳が攻撃命令を下すわけがないが、現場の人員が感情的になり、偶発的な軍事衝突が起きることを否定できない。そのため海空緊急連絡メカニズム、両国防衛当局の相互信頼メカニズムを構築するべきだ」と呼びかけた。
九州大学の教授は6日、「日本の防衛部門は、日本の戦闘機が確かにフレアを作動させたと称しているが、萩生田氏は状況を把握していないと表明した。これは相矛盾している。自衛隊がこれほど重要なことを政府に報告していないとは、まったく想像もできないことだ。萩生田氏のあいまいな発言は、何かを薄め、隠そうとしていることを意味する。日本政府は揉め事の責任を負いたくはないだろう。また日本政府はメディアに対して、『中国の脅威』を重点的に報じ、日本の安全環境が急激に悪化しているという印象を国民に与えるようリードした。与党は間もなく実施される参院選に勝利するため、参院選で圧倒的多数の議席を占める目的は改憲であり、日本をより安全にすることが改憲の目的だと国民に宣伝している。そのため、日本の戦闘機が中国軍機の脅威に対応することを、この時期に極度に誇張するのも自然なことだ」と分析した。
(チャイナネット)
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