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新華網北京7月6日(新華社記者/凌朔、林昊)フィリピンのアキノ三世政権が一方的に申し立てた南中国海仲裁案と域外勢力の地域事務への介入の直接的な結果は、中国の利益を損なうだけでなく、さらに巻き添えになった東南アジア諸国連合(ASEAN)が前代未聞の受け身の状態に陥ることになる。
危害一、フィリピンの南中国海仲裁案はASEANの一体化プロセスにおける求心力と凝集力を低下させる。
フィリピン南中国海仲裁案の申し立ては、特に米国などの域外勢力がASEAN内部でグループを結束し、分散化を企てることで、ASEAN内部の亀裂を際立たせ、相互信頼を弱めさせる。ASEANは近頃に開いた数回のレベル別の会合で、いずれも仲裁案の問題で紛争が相次ぎ、気まずい思いで別れた。非公式の学識者会合でさえ、ASEAN内で意見が一致することは難しく、頻繁に反発し合っている。その原因はASEANは国によって、南中国海問題に対する姿勢と立場が比較的に大きく異なり、国によって、ASEAN加盟国が提起した仲裁方式に対する見解が異なり、国によって、域外勢力の介入とASEAN加盟国を左右する行為への見方が違うからだ。
危害二、フィリピンの南中国海仲裁案はASEANの現行規則と手続きに傷つける。
フィリピン南中国海仲裁案の申し立ては、『宣言』を一方的に踏みにじり、「二本化構想」を否定し、「ASEAN方式」を壊した。これはASEANの集団的な承諾に背いただけでなく、ASEANの協議の成果を台無しにするものだ。これに留まらず、ここ2年間に、少数の国が域外勢力とともに南中国海問題を騒ぎ立てている。このために、政治の安全、経済貿易協力及び文化の融合をテーマとした東アジア協力指導者シリーズ会議及び外相会合などの重要な場が南中国海問題の激論を交わす会場になり果て、ASEANの議事日程と段階目標が狂ってしまった。
危害三、フィリピン南中国海仲裁案はASEANの区域の安全を脅かす。
フィリピン南中国海仲裁案の申し立ては、現行の安全の構図をぶち壊した。一部の域外勢力は南中国海近くの区域に高頻度で進入し、少数のASEAN諸国にいわゆる「安全感」を与えると同時に、その他の一部のASEAN諸国の「不安感」を増大させているの方が大きい。特に米国は南中国海に空母を派遣して巡視し、日本はフィリピンなどに巡視船を提供している。これにより、その他のASEAN諸国が「軍備競争」に関する連想を引き起こした。域外国家は自国の利益のために南中国海を搔き回しているが、域内国家は最終的にすべての悪影響と損失を引き受ける。
一方的な仲裁の強制は、紛争解決の「万能薬」ではなく、且つ一旦、人為的に利用されれば、地域を害する「毒薬」になるだけだ。
(新華社より)
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