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新華網北京7月4日(新華社記者/杜白羽)1960、70年代になるまで、南中国海問題は問題ではなく、中国の南中国海諸島の主権に対しいかなる国も疑念と異議を示していなかった。その後、米国の数人の科学者が南中国海は極めて豊富な油ガス資源に恵まれているという報告書を発表した。これによって、一部の国が南中国海に野望を抱き始めたと。
その後の数十年にわたり、一部の南中国海の周辺諸国は南中国海の島礁を相次いで占領したが、幸いなことに関係国の二国間対話と協議メカニズムは中断しておらず、南中国海の全体情勢も安定している。2002年に中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)と『南中国海各方面行為宣言』に調印し、2013年に「南中国海行為準則」に関する協議をスタートした。
一方で、その後に米国は再び抑制することができず、2009年に「アジア太平洋リバランス」戦略を打ち出し、いわゆる「南中国海緊張情勢」を次々と「扇動」して作り出し、地域の関係事務に至る所で干渉し、南中国海の本来の平静と平和を打ち壊した。米国の「天下が乱れることをひたすら願う」、「濁りに乗じて魚を捕まえる」という心境は誰の目にも明白である。
まさに米国は「火薬庫」を南中国海に搬入している。一方で、中国とASEANの関係を挑発しながら、「中国脅威論」を形成している。もう一方で、機会に乗じて軍事配備を充実化させ、軍事同盟を強化している。
米国にとって、複数で結託して中国に対抗し、同盟を引き込んで中国を排除し、中国を貶める世論を作り上げてはじめて、米国の「国益」に関連する。
米国が南中国海地区で「自由、法治、安全」といった3枚の「発言カード」を放り投げたことは、虚偽の飾り、概念のすり替え、不渡り小切手であり、公然と南中国海問題で揉め事を起こしている。
米国の「自由」カードはいわゆる「航行の自由」権の提示
米国は南中国海に介入する以前は、毎年約10万隻の各種船舶は南中国海で「不自由」な問題に遭遇したことはなかった。まさに南中国海の自由な航行は世界の半分以上の海上貿易を伝統的に支えてきた。一方で、米国は2015年から、南中国海の「航行と上空通過の自由」擁護の旗を打ち立て、多数の軍艦を派遣して中国の南沙関係島礁近隣の水域に接近、さらには進入し、南沙関係島近隣の空域を軍用機が頻繁に通過している。これは絶対的に権勢に依存した横暴な振る舞いであり、挑発行為だ。
米国の「法治」カードはいわゆる「国際法の擁護」の誤魔化し
米国は現在も尚、『国連海洋法条約』(以下は「条約」という)に加盟していない。これは米軍エネルギーが各大洋を自由に出入りする機動性を最大限に擁護し、片一方による海上行動を起こし、その他の沿海国が「海洋での主張」を行い、米国の海洋における覇権に挑むのを防ぐことが狙いだ。1979年、米国は『条約』締結前にいわゆる「航行自由計画」を急いで発表し、国際海洋法の枠組みの外で「米国式海洋覇権」を策定して主導し、幅広い発展途上国が米国の「航行自由計画」の被害者になった。米国の「法治」の主張は、絶対的に利己的で覇権的な行為と言える。
米国の「安全」カードは「中国脅威論」を吹聴し、「米国の保護」を宣伝する
米国の戦略的意図を普及させるため、ASEAN諸国を米国が配置した戦略的な罠に陥れようとすると同時に、米国の武器をよりスムーズに販売している。米国はまた、東南アジアで「南中国海緊張論」を吹聴し、「中国脅威論」を広め、「米国の保護の傘下」を普及させている。過去数年間に、米国は半数以上の軍艦を太平洋地区に配置し、日米同盟と米国・フィリピン同盟を強化し、南中国海及び南中国海付近の水域で繰り返し軍事演習を行い、同盟国、又はパートナーが南中国海で即効性の高い「合同巡航」を行うように絶えず誘発し、航母を高頻度でアジア太平洋地区に派遣している。さらに、軍事的な威嚇手段で「安全の引力」を形成し、より多くの関係国が米国という「大山」に依存するように誘い込むことを意図している。これは絶対的な米国の兵力乱用と好戦的な姿勢を示している。
「アジア太平洋リバランス」は最初から最後まで米国の姿勢を反映している。米国は中国の奮い立ちを世界的な覇権への「主要な挑戦者」であるとみなし、南中国海問題において「一切を顧みずに突き進み」、武力を誇示している。フィリピンの南中国海仲裁案については、米国が南中国海問題に介入するための殻であり、ちょうど良いことに米国の「3枚のカード」の偽装の衣にできることは間違いない。
米国の縫い目が見えない天衣と自負する手段は有識者に見破られている
米国の著名な弁護士、ブルース・ファーン氏は次のように指摘する。米国の現在の南中国海政策は「危険な帝国思想」を体現している。南中国海に行って「中国の脅威」を吹聴することは、地域の緊張をエスカレートさせ、アジア諸国に誤ったシグナルを発信することに間違いない。この他は米国は何も得るところがない。
南中国海を地縁政治の争いの場に変えることは、いかなる国にもメリットがなく、政治問題にいわゆる国際法という外衣を着せることは池の清水を搔き混ぜることに過ぎない。バルカン半島、海湾、アフガニスタン、イラク、リビアの歴史における米国の姿は誰の目にも明らかである。米国がアジア太平洋地区で建設的な役割を発揮するためには、「心境をリバランス」する必要がある。
(新華社より)
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