新華網北京5月25日 (記者/薛天依)中国社会科学院日本研究所所長助理の張季風氏は先日新華網の記者のインタビューに応じた際、「アベノミクス」は所期の効果が得られておらず、日本経済を低迷から抜け出させることができなかっただけでなく、設定された長期的な政策目標もほとんど実現できていないので、「日本病」に対する治療の効果がまだ現れていないと語った。
張氏は次のように語った。日本経済の痼疾(こしつ)には主に経済成長の低迷、財政問題、企業のイノベーション能力の不足という3つの方面が含まれ、我々はこれを「日本病」と称している。アベノミクスが実施されてから、「日本病」は少しも好転していない。経済成長率からみると、2013年会計年度の日本の実質GDP成長率は2%で、2014年会計年度には1%のマイナスとなり、2015年会計年度には0.8%で、3年間の平均成長率は0.6%、過去20年の実質GDPの年平均成長率は0.8%だった。この状況から、日本の経済成長率は安倍政権前と比べても好転していないばかりか、かえって低くなったことが分かる。財政面では、日本の税収がいくらか増えたが、財政債務の総量は逆に重くなり続けている。また、企業のイノベーション能力の面では、少なくとも現在までに、アベノミクスが企業のイノベーション能力を刺激する面において発揮した効果が見られていない。
安倍首相が投げかけた「新3本の矢」に対し、張氏もその見通しが明るいとはみなしていない。張氏は、アベノミクスが提起したインフレ指標や財政目標、経済成長率はいずれもほとんど実現できていないと語った。張氏は、「新3本の矢」では2021年までに国内総生産(GDP)を600兆円に拡大させることを提起していたと語り、また次のように述べた。この目標は根本的に実現不可能だ。その理由は、この目標を実現するには、日本の実質経済成長率2%、名目経済成長率3%を必ず達成させねばならないが、現在の日本経済はほぼゼロ成長で、しかも今後も高成長が現れる可能性が見られないからだ。
張氏は、日本経済の問題は長期にわたって蓄積されてきた構造問題で、日本の経済構造問題の解決に対するアベノミクスの効果は、微々たるものだと指摘、次のようにみなしている。少なくとも現在までに、アベノミクスには効果が生じておらず、所期の効果が得られていない。「アベノミクス」には短期的な目標以外にも、長期的な経済成長率や財政再建及び国民1人当たり所得などのような多くの中長期的な目標も設定されているが、現在の状況からみると、これらの目標はほとんど実現できないか実現しにくいものだ。
(新華社より)
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