「慰安婦」をテーマとするドキュメンタリー『三十二』が12日午前、南京利済巷慰安所旧跡陳列館に寄贈された。監修を担当した中国慰安婦問題研究センター長の蘇智良氏によると、身分を明らかにしている中国の元慰安婦の存命者は21人のみ。
『三十二』の撮影は2012年12月に始まった。中国侵略日本軍の慰安婦制度の被害者である韋紹蘭さんと、日本人との間に生まれた羅善学さんの物語だ。郭柯監督は『三十二』に続き、2014年上半期に別の慰安婦をテーマとするドキュメンタリー『二十二』の撮影を開始した。湖北省、海南省、山西省など5省で暮らす22人の慰安婦制度被害者の生活の現状を撮影した。本作はすでに撮影を終え、間もなく公開される。
蘇氏は、「ドキュメンタリー『三十二』『二十二』は、高齢者の被害の経歴を記録し、すべての存命中の元慰安婦の生活の現状に関する映像資料となっている。これは国内外の関係者が彼女たちの被害の経歴を理解する一助になる。元慰安婦がこの世を去るに伴い、その歴史資料としての価値が高まる」と話した。
旧日本軍は1937年末に南京を占領すると、南京市利済巷2号を「東雲慰安所」に、18号を「故郷楼慰安所」にした。南京利済巷慰安所旧跡陳列館は昨年12月1日に開館し、侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館(南京大虐殺紀念館)の分館となった。これは中国大陸初の、慰安婦が自ら承認する慰安婦をテーマとする記念館だ。館内では1600点以上の資料が展示されており、映像資料は19点。侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館の張建軍館長は、「ドキュメンタリー『三十二』を永久に保存し、展示ホール内で繰り返し放映する」と述べた。
(チャイナネット)
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