自民党の高官は、安倍晋三首相が衆参同時選の方針を固めたと明かした。アナリストは、「安倍首相は野党連合から脅威を感じており、先手を取ることで議席数を拡大し、改憲を促進しようとしている」と指摘した。
【同じ手口を繰り返す】
日本では衆参同日選がこれまで2回行われたことがある(大平正芳首相が在任中の1980年、中曽根康弘首相が在任中の1986年)。与党・自民党は衆院選で圧勝し、参議院の議席数を増やした。
安倍首相も解散総選挙の味をしめている。安倍首相は2014年11月、12月に衆院解散総選挙を実施すると発表し、野党に対処の時間を与えなかった。その結果、連立与党は3分の2以上の議席を占め、野党は統一を図れなかった。2012年の衆院選で「第3極」勢力として台頭した政党は、集団崩壊を余儀なくされた。
【野党を警戒】
安倍首相が衆参同時選という大技に備えているのは、野党連合のためだ。
最大野党の民主党と3番手の維新の党は、3月27日に正式に合併し、「民進党」になった。安倍首相が2012年に再任以来、最も実力ある野党と言える。
中国外交学院アジア研究所の苗吉氏は、「日本の政界には、振り子が左右に振れる現象が存在する。自民党が重要な選挙に3連勝すると、有権者の心理が徐々に野党の方を向くようになった。野党は民進党を軸とし統一戦線を敷こうとしており、安倍政権を強くけん制し、連立与党の大きな脅威となっている。安倍首相はこれを当然ながら懸念している」と分析した。
また安倍首相は安保法を強行採決したことで、日本国民の不興を買った。アベノミクスの悪影響も出始めている。これらの要素により内閣支持率が低下し、自民党の選挙に不利な情勢となっている。
苗氏は、「一般的に、衆参同時選は現政権にとって有利だ。これは野党の対応が間に合わないためであり、仮に同時選が予想できたとしても、大掛かりな攻勢をかけ宣伝することは難しい」と述べた。
【改憲を目指す】
安倍首相が衆参同時選を決断した場合、選挙に勝利するだけではなく、自民党を中心とする「改憲派」によって参議院の3分の2以上の議席数を確保することが目標となる。安倍首相は自民党総裁の任期内に、「改憲の夢」を実現することになる。
苗氏は、「改憲は安倍首相の任期内の最後の宿願であり、最大の試練でもある。安倍首相は大胆かつ慎重に推進するだろう。7月の選挙で改憲に必要な3分の2以上の議席数を占めるためには、同時選が効果的な技術的手段となる」と話した。
(チャイナネット)
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