中国は今、国際移民の目指す新たな移住の目的地となっている。国際移住機関(IOM)と中国グローバル化研究センター(Center for China & Globalization)は3月17日、「2015年版世界移住報告書:移民と都市—人口流動を管理する新たな協力」の中国語版を共同で発表した。同報告書は世界の最新の移住の動向、都市化の発展と都市部の人口増加などの分析結果を明らかにしている。英フィナンシャル タイムズの記事を引用し、環球網が伝えた。
報告書の内容は以下の通り。
国際都市は、世界経済体系において重要な役割を発揮すると同時に、所在国の経済発展にも極めて重要な役割を果たしており、国家の経済発展戦略 計画の核心とも言える。国際都市は移住の主な目的地であり、外国籍人口の約19%がこれらの都市に居住している。2014年のランキングを見ると、中国の北京 上海 香港は世界の国際都市の上位20位にランクインしている。
移住の新たな目的地の出現に伴い、移民が流動する地域にも変化が生じている。発展途上国から北米 欧州など経済の発達した国へと移住する従来のケースのほかに、東アジア、南アフリカ、ブラジル、インドといった急速に発展する新興国も多くの移民を引き寄せている。こうした新たな発展途上国は、移民輩出国であると同時に移民受入国にもなりつつある。これにより、中 低所得国間の人口移動、すなわち南南移住がますます重要になっている。例えば、中国広州などの新興都市はアフリカ移民の目的地になっているが、中国はナイジェリア移民を受け入れると同時に中東地域に移民を輩出している。欧州と北米がアフリカ移民の入国制限を厳しくしたため、中国を目的地に選ぶ移民が増加した。
中国の外国籍人口は相対的には少ないが、増加の兆しを見せている。多国籍企業の建設に伴い、各国の外国籍従業員が中国に派遣されるようになった。中国経済の急成長も、多くの外国人専門家を引き寄せている。2000年から2013年までに、中国の国際移民の総数は50%以上増加した。また、中国の都市の発展に伴い、より良い生活 仕事環境が整い、投資 創業、グローバル企業への就職のチャンスが高まったことから、国外に住む多くの中国人が帰国してキャリアを発展するようになった。中国の各都市も、海外人材を誘致するため、競うように各種の奨励策を打ち出している。
(人民網日本語版)
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