2015年11月24日、中国の独居世帯の数は近年大幅に増加しており、独居世帯が全国に占める割合は1990年の6%から2010年には14%に上昇した。国家統計年鑑によると、2013年には同割合が14.6%に達している。独居世帯の割合が全国で最も高いのは上海市で、4世帯に1世帯が一人暮らしだという。西安晩報が伝えた。
▼家族構造の変化で独居老人が増加
第6回国勢調査によると、2010年、高齢者が「単独」・「夫婦のみ」で暮らす割合は高齢者世帯全体の約半数に達し、高齢者の7割が子どもと同居していた20年前とは大きく変化した。遼寧省、山東省、江蘇省、広東省、上海、浙江省の6つの東部都市では、75歳以上の独居老人が特に多かった。
人口の移動、都市を跨ぐ就業、多世代家族の減少、都市化の発展などが、中国で独居者の数が急増する原因となっている。こうした問題に直面し、多くの地方が独居老人問題の解決に積極的に取り組み始めている。
河南省の中でも高齢化が進んだ地域である開封では、現地の民政部門が「在宅介護サービスセンター」プロジェクトの試行を実施、コミュニティ内の独居老人にサービスを提供している。同センターにはラウンジ、絵画室、麻雀ルーム、演劇ルームなどが設けられ、さらに当番の医師が勤務している。
このほか、多くのコミュニティが独居老人向けの様々なサービスを提供している。油坊コミュニティの「ドアノック」サービスは、コミュニティの職員が毎日定時に独居老人の家のドアをたたき、返事があるかどうかを確認するというもので、興味深い取り組みと言える。同コミュニティはこのほか、独居老人ボランティアサービスチームを結成し、高齢者の様々なニーズに応えている。
▼独身の若者の一人暮らしも増加
中国の第4次独身ブームの到来に伴い、独身の若者世代の独居者も日に日に増加している。中国では現在5800万人が一人暮らしを送っており、独居世帯は全世帯数の14%を占め、この割合はますます上昇している。
調査によると、中国の30歳以下の人口のうち、教育水準と経済力が高い人ほど、一人暮らしを選択する可能性が高い。また、比較的裕福な地域で独居者(配偶者が他界した場合を除く)が多くなっており、北京では5分の1の世帯が一人暮らしとなっている。上海・広州などの大都市では平均初婚年齢が上昇、離婚率も高まっており、独居者の増加につながっている。
20歳から39歳の若い独居世帯は2000万世帯に近づいている。中高齢者の一人暮らしは、女性が男性を上回るのに対し、20歳から64歳の一人暮らしは、男性が女性を大きく上回る。中高齢者の場合、配偶者の他界や、子供の独立が一人暮らしの原因となっているが、青壮年の一人暮らしは独身のためであることが多い。
都市の一人暮らしが増える背景には、初婚年齢の上昇がある。結婚を先延ばしにする若者が多く、中には結婚せずに一人暮らしを選ぶ人もいる。安徽省阜陽市の董医師は、「周りには一人暮らしの人がたくさんいる。物質的な条件のため一人暮らしを余儀なくされている人もいるが、結婚生活を望まない人もいる」と語る。
(人民網日本語版)
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