沖縄県の翁長雄志知事は10月7日、米軍普天間飛行場移設問題で、移設先とされている名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しに向けた手続きの一環として、防衛省沖縄防衛局に対する聴聞の場を設けた。米軍基地移設問題を巡り、沖縄県では抗議活動が止むことなく続けられている。
米軍基地移設を拒むことには、安全面の他に、米軍による住民への迷惑行為や犯罪といった要因や、環境問題への影響、さらにはより深い原因がある。
まず、これは在日米軍の特権と関連している。第二次大戦の戦勝国として、米軍は日本で犯罪を逃れるさまざまな特権を手にしている。米兵はどのような事件を起こそうとも、往々にして「治外法権」を責任逃れの口実としている。米軍がらみの事件は常に解決が先延ばしされ、最終的に有耶無耶にされる。沖縄県ではほぼ毎年、米兵による放火、自動車事故、強姦などの悪質な事件が発生しており、現地住民に深刻な恐怖をもたらしている。在日米軍は日本メディアによって、「日本各地を漂う悪霊」と呼ばれている。米軍の事件を起こした兵士に対する処理も、往々にして表面的なものに留まり、徹底されていない。
次に、これは人々の歴史認識と関連している。歴史的に沖縄には、長期的に独立した王国が存在していた。沖縄は戦後、米国の「管轄下」に置かれ、その後は日本にこっそり引き渡された。日本政府は日米安保条約で利益を手にしたが、沖縄を犠牲にした。沖縄は第一列島線の最も敏感な位置にあり、衝突を最も引き起こしやすいエリアでもある。戦争になれば、沖縄が火の海になる可能性が高い。日本政府は沖縄県にオスプレイを強行配備しており、普天間基地移設問題も適切に解決されていない。多くの現地住民は、自身の安全と地位が一度も真に尊重されたことがないと感じている。最近の例を見ると、沖縄県は新基地の施工が環境を破壊するかを調査しようとしたが、日米地位協定に合致しないことを理由に米国から拒否された。日本当局の同問題に対する反応も、「米国に報告する」に留まった。
それから、これは経済・社会の発展と関連している。米軍基地の関連収入が沖縄県の経済全体に占める比率は、ピーク時には50%に達したが、現在は4.9%まで低下している。沖縄県に駐留する米兵は3万人弱で、現地に36の軍事基地が設置されている。その総面積は約230平方キロメートルで、在日米軍基地の面積の約75%を占めている。これほど広い土地が軍事用とされ、経済発展に利用できないことで、沖縄県と住民が不満を抱いている。翁長知事は、米軍基地は沖縄経済を促進しないばかりか、沖縄の経済発展の最大の障害物になっていると表明した。沖縄が米軍基地の土地返還により再開発に着手すれば、経済的に大きな利益を手にすることができる。これは自明の理だ。
(チャイナネット)
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