国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国際諮問委員会の第12回会議が4日、アラブ首長国連邦のアブダビで開幕した。3日間の会期内に、世界各地から申請された約90件を審査。その中には、中国が申請した南京大虐殺と慰安婦の関連資料が含まれる。
同委員会はユネスコの下部組織。今回の会議では各国から申請された内容を審査し、ユネスコに勧告する。ユネスコに認可されると、正式に「世界記憶遺産」に登録される。記者が5日、ユネスコの公式サイト上で確認したところ、中国は「南京大虐殺」と「慰安婦――日本軍の性奴隷文書」の2件を申請している。申請時期はいずれも2014年。
中国のこの正常な動きに対して、日本政府は反対の立場を示し続けている。菅義偉官房長官は2014年6月になんと中国側に抗議し、申請を撤回するよう求めると述べた。菅長官は今月2日の記者会見で、「日中両国が関係改善に尽くしている時に、中国がユネスコを政治利用しており、極めて遺憾だ」と述べた。共同通信社は4日、日本の高官の話として、「日本は中国の南京大虐殺と慰安婦の文書の信憑性を疑い、中国に申請撤回を求めたが、拒否された」と報じた。
南京大虐殺や慰安婦の痛ましい記憶と深い教訓は、中国人の歴史の記憶のみならず、世界の歴史の記憶である。中国の申請は、完全に情と理にかなっている。中国外交部の華春瑩報道官は、2014年6月10日に開かれた定例記者会見において、「中国が南京大虐殺と日本軍の慰安婦の強制連行に関する貴重な歴史文書を申請するのは、歴史を銘記し、平和を惜しみ、人類の尊厳を守るためだ」と述べた。中国の他に、韓国も慰安婦と、第二次大戦中に朝鮮半島から強制連行された労働者に関する文書を、世界記憶遺産に登録申請することを検討している。
(チャイナネット)
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