筆者は、基礎教育のバランスの取れた発展を果たした日本に学ぶべきところが確実にあると考える。第二次大戦後の日本は、基礎教育に力を入れたことが高度経済成長の重要な要因だったと言われている。相対的に公平で、かつ普及型の公共教育体系も、日本が基礎教育で相対的にバランスの取れた発展を遂げた重要な要因である。
一、政府が住所をもとに就学場所を指定
日本の法律によれば、通常は各地域の教育委員会が学区ごとに子供を小学校や中学校に入れる。一般的に学区は子供の住む住所で決定される。戸籍を基礎としている中国の入学制度と異なるのは、日本では住民票の住所で学区や学校が決まることである。引っ越ししても、引っ越し先の近くの学校に入学する。
二、教学条件標準化と教師待遇の均一化
日本政府は十分な義務教育経費を保証しており、各学校の教学条件や教学設備は標準化されている。同時に、日本の中央政府が直接教職員の給与を給付しており、学校によって待遇の差を付けることをなくしている。
三、教師や校長が定期的に異動することで教育レベルの均質化を維持
ハード面での均質化に努めると同時に、日本政府は学校の教師レベルの向上も重視している。学校間の教学レベルを均質化するために、日本の小中学校では教師と校長の定期的異動制度を実施している。全国の公立学校の教師は平均6年に1回異動する。小中学校の校長の多くが3~5年ごとに異動する。1人の校長が退職するまでに2回以上は異動している。その主な目的は、教師や校長の仕事の情熱や創意を常に向上させ、教師の教学経験や校長の管理能力を高めることにある。
人材資源を合理的に配置し、学校間の教育レベルのバランスを維持する。学校に閉じこもる閉塞状態を打破し、学校に活力をもたらす。実施されてから40年以上が経つこの制度は、教育の質の安定、教師の資質の向上、劣った学校の改善などに大きな作用を及ぼしている。安定的なハード・ソフト環境と教育の品質は、学区制による地元での進学に対する大きな土台となっている。日本での40年以上にわたる経験が我々に教えてくれることは、バランスのある教育資源の発展にはシステム的な改革が必要であるということである。そのため我々は、過去の各歴史的段階に形成された利益配分構造を打破し、「エリート主義の排除」や「脱功利化」の過程を経て本来の義務教育へ回帰し、教育体系と社会管理体系の総合的調整を通じ、公平で公正な、そしてオープンでバランスの取れた、良好で多様で革新的な中国式義務教育体系を構築するべきである。
(チャイナネット)
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