新ガイドラインは事実上、安倍首相が就任した後の一連の重大な安全保障政策における転換の方向性であり、帰結点である。
安倍政府が新ガイドラインの改定を早急に進めるもう一つの要因は、米国の「アジア太平洋へのリバランス」戦略で生まれるチャンスに対する期待感だ。米国の「アジア太平洋へのリバランス」戦略から滲み出る冷戦思考は、砲艦を実力として国際地縁政治ゲームへの参与を渇望する安倍政権にとって、貴重な宝物を獲得することと同じだ。一方、米国は一時な利益を得るために必要な短絡的な政策によって、安倍首相の背後にある「大国主義」の野心を心底から見抜いたとしても、安倍首相とその近辺の右翼勢力が戦後の国際秩序のレッドラインを一つ一つ踏み越えるのを放任している。
しかしながら、安倍内閣が海外派兵の制約の解除を急ぐ手法と目的は日本国内で幅広く疑問の声が上がらせた。『東京新聞』は、新ガイドラインでは日本が戦後から励行してきた専守防衛の国策を有名無実にさせており、自衛隊が米国の必要に応じて危険地域に姿を現すことは、かえって地域の緊張を助長するだろうと指摘する。『朝日新聞』は社説を発表し、新ガイドラインは戦後日本の平和発展の方向における大きな転換で、日本の国家イメージが危ぶまれる状態にあることを示していると伝えている。『毎日新聞』は法によって国を治めるという角度から、新ガイドラインが発表された時、日本国内の関連の法制定や法の修正は未だ完成しておらず、安倍政権の新しい安全保障政策は民意を完全に無視していると指摘する。
かつて1997年の防衛協力の指針の改定に参与した日本・元内閣官房副長官補・柳澤協二氏は、今回の改定は日米安保条約の枠を超えただけでなく、日米の役割分担に対する偏りもかなりアンバランスだ。新ガイドラインでは、米軍の日米安全保障体制における役割はほとんど変わっていないが、日本・自衛隊の日米防衛体制における役割に質的変化が生じていると指摘する。柳澤協二氏は、日本の日米同盟での役割転換が日本の安全に無益なだけでなく、かえって日本が不必要な衝突に巻き込まれる可能性が増え、日本の安全を脅かすものとみなしている。
(新華網日本語)
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