【新華社北京8月28日】日本の東北大学教授で米電気電子学会(IEEE)次期副会長の小菅一弘氏が23日、中国北京市の亦創国際コンベンションセンターで25日まで開催した世界ロボット大会2019のメインフォーラムで、「協働ロボットの概念およびその応用」と題した講演を行い、人とロボットとの協働が近年のロボット分野における重点研究テーマだと指摘した。
小菅氏は、将来的に各国で高齢化が一層深刻化し、多くの業界で人手が不足する一方、必要な技能を持たない人もかなりの数に上るとの予測を示し、社会や経済に大きな損失をもたらすことになると指摘。高齢化問題に加え、世界中で都市化傾向がかなり顕著に見られており、多くの問題が将来的なリスクとして存在していると述べた。こうした背景の下、人と共に働く協働ロボットは多くのチャンスと挑戦を迎えるとの認識を示した。
小菅氏はそれぞれ地球、地域コミュニティ、個人という3方面から、協働ロボットが創出する価値について検討した。地球レベルでは環境モニタリングや自然資源探索、宇宙探索、深海・浅海探索などで、地域コミュニティレベルでは行政サービスや農業、森林、漁業、鉱物採掘、インフラ建設、製造業、建設業などでロボットの活躍が期待できるほか、対個人では医療や健康などの分野でプラスの影響をもたらすことができると指摘。「ロボットと人類の協力を促すため、ロボットに任務は何なのか、人間が何を意図しているのか、人間が具体的にどんな助けを求めているのかという3点を理解させることが最も重要だ。10年前に比べ、今は人工知能(AI)という支援も加わり、この3点への理解も高まってきている」と語った。
小菅氏は最後に、人類が地球規模でさまざまな試練や問題に直面するなか、今のロボットは特に実用化の面でより多くの飛躍や革新を遂げることができると説明。今後さらに実用化を目的とする研究や発展が進むことに期待すると述べた。(記者/岳晨星、薛臣)
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