【新華社北京3月5日】中国の李克強(り・こくきょう)国務院総理は5日、北京の人民大会堂で開かれた第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議の開幕会議で政府活動報告を行い、2018年の活動について次のように述べた。
▽経済の動きが合理的な範囲内に保たれた。国内総生産(GDP)が6・6%伸び、規模が90兆元を突破した。経済成長率と電力消費量・貨物輸送量などの実物指標の伸びがつり合った。消費者物価が2・1%上昇した。国際収支が基本的に均衡した。都市部の新規就業者数が1361万人となり、調査失業率が5%前後の比較的低い水準で安定した。14億近い人口を有する発展途上の大国にとって、比較的十分な雇用を確保することはきわめて重要である。
▽経済構造が不断に改善された。経済成長を牽引する消費の作用が一段と強まった。経済成長に対するサービス業の寄与率が60%に迫り、ハイテク産業・設備製造業の伸び率が一般工業の伸び率を顕著に上回り、農業が再び豊作となった。GDP1単位当たりのエネルギー消費量が3・1%減少した。質と効率が引き続き向上した。
▽発展の新たな原動力が急速に成長した。「嫦娥(じょうが)4号」などたくさんの大きな科学技術革新の成果が相次いでデビューを飾った。新興産業が大いに発展し、在来産業の業態転換・高度化が加速した。大衆による起業・革新が一段と進み、1日当たりの新規設立企業数が1万8000社を超え、市場主体の総数が1億社を超えた。新たな原動力は、生産・生活様式を大きく変えつつあり、中国の発展の新たな優位性を築いている。
▽改革開放が新たな突破を果たした。国務院および地方政府の機構改革がスムーズに実施された。重点分野の改革が新たに進み、市場参入ネガティブリスト制度が全面的に実施され、「行政簡素化と権限委譲」「緩和と管理の結合」「サービスの最適化」改革が強化され、ビジネス環境の国際ランキングが著しく上昇した。対外開放が全方位で拡大され、「一帯一路」共同建設に重要な進展があった。第1回中国国際輸入博覧会が成功裏に開催され、海南自由貿易試験区の建設が始まった。モノの輸出入総額が30兆元を超え、外資の実質利用額が1383億ドルとなって発展途上国中トップをキープした。
▽三大堅塁攻略戦が幸先のよいスタートを切った。重大リスクを防止・解消したことで、債務総額の対GDP比が安定に向かい、金融の動きが全般的に落ち着いた。的確な貧困脱却が力強く推進され、農村貧困人口が1386万人減少し、そのうちの280万人に移住・転居による貧困救済が施された。汚染対策が強化され、微小粒子状物質(PM2・5)の濃度が引き続き低下し、生態文明建設が顕著な効果をあげた。
▽人民の生活が持続的に改善された。住民1人当たり可処分所得が実質で6・5%伸びた。個人所得税の基礎控除額を引き上げ、特別付加控除項目を六つ設けた。基本養老保険や基本医療保険などによる保障を強化し、各種学校で学ぶ貧困世帯の児童・生徒・学生を延べ1億人近く援助した。バラック密集地の住宅の改築が620万戸余り、農村の老朽危険家屋の改築が190万戸完了した。都市・農村住民の生活水準がまた新たに向上した。
この一年を振り返るに、以上の成果を収めるのは容易なことではなかった。われわれが直面したのは大きく変化する外部環境だった。経済のグローバル化が曲折をたどり、多国間主義が揺さぶられ、国際金融市場が変動したこと、とくに中米経済貿易摩擦により、一部の企業の生産経営や市場の期待が影響をこうむった。われわれが直面したのは経済のパターン転換の痛みの顕在化という厳しい試練だった。新旧の矛盾が入り交じり、周期的な問題と構造的な問題が重なり合い、経済の動きに安定の中で変化があり、変化の中で不安が生まれた。われわれが直面したのは非常に難しい選択が増える複雑な局面だった。安定成長やリスク防止などいくつもの目標の達成、経済・社会発展などいくつもの任務の完遂、当面の対策と長期的な対策の関係などいくつもの関係の適切な処理が求められ、政策の選択と活動の推進の難度が著しく増した。国を挙げて努力した結果、わが国の経済発展は高い水準で総体的に安定し、安定を保ちつつ前進し、社会の大局が安定を保った。これは、中国共産党の指導のもと、中国人民にはどんな艱難辛苦にもうち勝つ勇気と知恵と力があり、中国の発展には乗り越えられない壁はない、ということを再度示したのである。
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