【新華社成都8月13日】中国四川省宝興県東北部に位置し、初めてジャイアントパンダが発見された場所に近い四川蜂桶寨国家級自然保護区で、中国の科学研究員が中国固有の大型希少鳥類カラニジキジの保護に尽力している。今年の繁殖期には、歴史的快挙となる5羽のひなのふ化に成功し、世界で唯一人工繁殖を行っている同保護区のカラニジキジの数が16羽に増加した。
四川宝興カラニジキジ保護研究センター研究員 陳黎氏
われわれの研究センターには現在、16羽のカラニジキジがいる。3羽が幼体で8羽が成体だ。今年の人工繁殖は飛躍的な成果を遂げ、合計5羽のひなのふ化に成功した。
【解説】カラニジキジはジャイアントパンダと同様、フランスの博物学者アルマン・ダヴィドによって1869年に同県鄧池溝で発見された。カラニジキジは現在、中国の国家一級保護動物であり、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは野生絶滅の可能性が高い「危急種」に指定されている。野生の生息数は3千羽未満で、パンダと同じくらい希少とされる。主に四川省西北部の標高3千メートル以上の高山地帯や、周辺の青海省、甘粛省、チベット自治区などに生息する。
四川蜂桶寨国家級自然保護区は現在、世界で唯一カラニジキジの人工繁殖研究を行っている機関で、今年3月、同保護区と成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地、西華師範大学生態研究院が共同研究室を設置し、中国におけるパンダの人工授精の経験をカラニジキジに応用する試みを行っている。
四川宝興カラニジキジ保護研究センター研究員 陳黎氏
過去の飼育過程では、繁殖率が低いことが非常に大きな問題となっていた。今年はこの難題を克服し、受精率とふ化成功率がともに60%以上となった。これはわれわれが成し遂げた飛躍的な成果だといえる。(記者/楊華、楊迪、張超群)
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