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歴史を見守り未来を展望 「中日平和友好条約」締結の意義
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-08-14 08:01:06 | 新華社 | 編集: 郭丹

 【新華社東京8月14日】中日両国は12日、平和友好条約締結40周年を迎えた。双方の共同努力により、中日関係は現在、明らかな改善の勢いが見られる。

  アナリストは、平和友好条約締結40周年の節目に相応しく、双方が初心を忘れず「中日平和友好条約」など両国間の四つの政治文書の原則と精神を遵守し、両国関係を大きく発展させるべきと指摘する。

  ▽明確な方向性で友好協力に大きな成果

  中日両国の先輩指導者は1978年8月12日、深遠な戦略的決断で「中日平和友好条約」を締結した。条約は法的文書として「中日共同声明」の各原則を確認し、日本が戦争責任に対する深い反省と、「一つの中国」原則の堅持という重要な態度表明を行い、両国が代々友好を引き継ぐことを明確に表明。中日関係の政治的基礎と法律規範の確立のため、正しい方向性を明確に示した。

  同条約は両国関係の全方位的な発展の道を切り開いた。その影響は計り知れない。日本の資金と技術は、その後の中国の改革開放で経済の発展に重要な役割を果たし、日本も中国発展という快速列車に同乗することで大きな経済利益を獲得した。双方はまた、各レベルでの政府間対話の枠組みを徐々に構築し、ハイレベル交流を盛んに行い、政治的な相互信頼を深め、各種民間交流も全面的に拡大した。中日友好協力は、両国人民に大きな幸福をもたらし、地域の発展と繁栄に大きく貢献した。

  東洋学園大学の朱建栄教授によると、同条約は中日国交正常化後の両国関係における重要な一里塚だという。朱氏は、両国は条約を指針とすることで、歴史を教訓に領土などの敏感な問題を適切に処理し、相互尊重と互利互恵を実現、中日関係は長足な進歩を遂げたと語る。両国の年間貿易総額は現在3千億ドル(1ドル=約111円)を超え、人的往来は延べ1千万人を超えている。

  ▽波乱を乗り越えるには条約精神への回帰が不可欠

  双方の関係はこの40年間、決して順調とは言えず、紆余曲折を経て来た。歴史問題では、日本側に過去の侵略の歴史を否定する者が絶えず現れ、また、日本の一部の勢力は意図的に領土問題など敏感な問題を騒ぎ立て、相互信頼を破壊した。

  東京大学の石井明名誉教授は、条約は両国の先輩指導者が「大局的観点に立って敏感な問題に対処する」という政治的決断によって締結されたものだと述べ、中日関係でここ数年見られた緊張の大きな原因は、両国関係が大局的観点により処理されていないことにあり、争議を棚上げにするという共通認識が堅持されていないことにあるとの見方を示す。また、中国が発展したことで日本は1980年代、90年代の自信と余裕を失い、中国の発展を見る目に変化が生じたと述べ、中国を協力パートナーではなく戦略的ライバルと見なすようになったことで、中日関係は絶えず摩擦が生じるようになったと指摘した。

  石井氏は、日本は中国を一貫して「援助を受ける側」と見なして来たので、一部の人々は中国が豊かで強くなった現実を受け入れることが出来ないと指摘する。その上で、日本は先輩指導者が「中日平和友好条約」締結時に両国関係に対し寄せた期待を振り返り、中国の発展を受け入れ、両国の相互依存関係を再認識し、条約精神の実践に努めるべきとの認識を示した。

  ▽大いに発揚し、未来に向けた互恵ウィンウィン関係を

  双方の共同努力のもとで中日関係が改善に向かっているのは喜ばしいことと言える。未来を展望し「中日平和友好条約」など四つの政治文書の原則と精神に則り、今こそ中日関係をより大きく発展させるべきであろう。

  日本の「村山談話を継承し発展させる会」の藤田高景理事長は、両国が「和すれば則ち共に栄え、争えば共に傷つく」ことは歴史が証明しており、友好と共生を堅持することこそ両国関係の唯一の正しい道だと述べた。また、青少年は中日関係の未来を担っており、両国はこの分野の交流に力を入れていくべきと指摘した。

  今年は中国改革開放40周年でもある。中国は新たな道を歩み始め、経済の質的向上とグレードアップを推進している。新しい時代は中日経済協力に新たな活動空間を与えており、省エネ環境保護や医療介護、シェアエコノミーなどの分野で双方は新たなチャンスを迎えている。両国は双方の発展戦略を結合させ、実務協力を深めていくことができる。

  注目すべきは、日本でもこのところ中国に学ぼうとする声が上がっていることだ。共同通信客員論説委員の岡田充氏は、人工知能(AI)などの分野で日本は中国との協力無しで発展することは不可能であり、中国が40年前に日本の近代化を学び発展の契機を掴んだように、日本も情報技術やAIなどの分野で中国から学ぶべきだと指摘した。

  安倍晋三首相はこのところ、中日双方は競争を協調に変えるべきだと何度も表明しているが、これは日本の中国に対する考えの前向きな変化を示している。日本の読売新聞によると、日本政府は第三国での中日民間企業のインフラ建設協力を視野に入れ、すでに方針を転換し始めている。

 朱氏は、「一帯一路」構想の第三国市場の開発で中日両国が持つ潜在的な協力の余地は大きく、双方は「中日平和友好条約」の協力と互恵の精神を大いに発揚し、新たな協力分野を開拓することで共通の利益を拡大、一連の象徴的プロジェクトを打ち出すことで互恵ウィンウィンの関係を実現すべきとの認識を示した。

  朱氏はまた、両国はともに世界経済大国であり、二国間関係の安定は地域と世界の利益に合致すると指摘。双方はまた自由貿易の実践者と受益者として、現在の保護貿易主義の台頭に対し、共同で多国間貿易システムを維持する責任があると語った。

 

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  アナリストは、平和友好条約締結40周年の節目に相応しく、双方が初心を忘れず「中日平和友好条約」など両国間の四つの政治文書の原則と精神を遵守し、両国関係を大きく発展させるべきと指摘する。

  ▽明確な方向性で友好協力に大きな成果

  中日両国の先輩指導者は1978年8月12日、深遠な戦略的決断で「中日平和友好条約」を締結した。条約は法的文書として「中日共同声明」の各原則を確認し、日本が戦争責任に対する深い反省と、「一つの中国」原則の堅持という重要な態度表明を行い、両国が代々友好を引き継ぐことを明確に表明。中日関係の政治的基礎と法律規範の確立のため、正しい方向性を明確に示した。

  同条約は両国関係の全方位的な発展の道を切り開いた。その影響は計り知れない。日本の資金と技術は、その後の中国の改革開放で経済の発展に重要な役割を果たし、日本も中国発展という快速列車に同乗することで大きな経済利益を獲得した。双方はまた、各レベルでの政府間対話の枠組みを徐々に構築し、ハイレベル交流を盛んに行い、政治的な相互信頼を深め、各種民間交流も全面的に拡大した。中日友好協力は、両国人民に大きな幸福をもたらし、地域の発展と繁栄に大きく貢献した。

  東洋学園大学の朱建栄教授によると、同条約は中日国交正常化後の両国関係における重要な一里塚だという。朱氏は、両国は条約を指針とすることで、歴史を教訓に領土などの敏感な問題を適切に処理し、相互尊重と互利互恵を実現、中日関係は長足な進歩を遂げたと語る。両国の年間貿易総額は現在3千億ドル(1ドル=約111円)を超え、人的往来は延べ1千万人を超えている。

  ▽波乱を乗り越えるには条約精神への回帰が不可欠

  双方の関係はこの40年間、決して順調とは言えず、紆余曲折を経て来た。歴史問題では、日本側に過去の侵略の歴史を否定する者が絶えず現れ、また、日本の一部の勢力は意図的に領土問題など敏感な問題を騒ぎ立て、相互信頼を破壊した。

  東京大学の石井明名誉教授は、条約は両国の先輩指導者が「大局的観点に立って敏感な問題に対処する」という政治的決断によって締結されたものだと述べ、中日関係でここ数年見られた緊張の大きな原因は、両国関係が大局的観点により処理されていないことにあり、争議を棚上げにするという共通認識が堅持されていないことにあるとの見方を示す。また、中国が発展したことで日本は1980年代、90年代の自信と余裕を失い、中国の発展を見る目に変化が生じたと述べ、中国を協力パートナーではなく戦略的ライバルと見なすようになったことで、中日関係は絶えず摩擦が生じるようになったと指摘した。

  石井氏は、日本は中国を一貫して「援助を受ける側」と見なして来たので、一部の人々は中国が豊かで強くなった現実を受け入れることが出来ないと指摘する。その上で、日本は先輩指導者が「中日平和友好条約」締結時に両国関係に対し寄せた期待を振り返り、中国の発展を受け入れ、両国の相互依存関係を再認識し、条約精神の実践に努めるべきとの認識を示した。

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  今年は中国改革開放40周年でもある。中国は新たな道を歩み始め、経済の質的向上とグレードアップを推進している。新しい時代は中日経済協力に新たな活動空間を与えており、省エネ環境保護や医療介護、シェアエコノミーなどの分野で双方は新たなチャンスを迎えている。両国は双方の発展戦略を結合させ、実務協力を深めていくことができる。

  注目すべきは、日本でもこのところ中国に学ぼうとする声が上がっていることだ。共同通信客員論説委員の岡田充氏は、人工知能(AI)などの分野で日本は中国との協力無しで発展することは不可能であり、中国が40年前に日本の近代化を学び発展の契機を掴んだように、日本も情報技術やAIなどの分野で中国から学ぶべきだと指摘した。

  安倍晋三首相はこのところ、中日双方は競争を協調に変えるべきだと何度も表明しているが、これは日本の中国に対する考えの前向きな変化を示している。日本の読売新聞によると、日本政府は第三国での中日民間企業のインフラ建設協力を視野に入れ、すでに方針を転換し始めている。

 朱氏は、「一帯一路」構想の第三国市場の開発で中日両国が持つ潜在的な協力の余地は大きく、双方は「中日平和友好条約」の協力と互恵の精神を大いに発揚し、新たな協力分野を開拓することで共通の利益を拡大、一連の象徴的プロジェクトを打ち出すことで互恵ウィンウィンの関係を実現すべきとの認識を示した。

  朱氏はまた、両国はともに世界経済大国であり、二国間関係の安定は地域と世界の利益に合致すると指摘。双方はまた自由貿易の実践者と受益者として、現在の保護貿易主義の台頭に対し、共同で多国間貿易システムを維持する責任があると語った。

 

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