【新華社北京8月8日】中国の清華大学は、同大学マイクロエレクトロニクス・ナノエレクトロニクス学部の任天令教授が率いるチームがこのほど、多層グラフェン表皮電子皮膚の開発に成功したと発表した。このデバイスは感度が極めて高く、直接皮膚に貼り付けて呼吸、心拍数、発声などを測定することができ、運動や睡眠のモニタリング、生物医療などの分野での応用に大きな将来性を有する。
この成果はこのほど国際ナノ分野で著名な米国化学会(American Chemical Society)発行の学術誌「ACS Nano」に発表された。
電子皮膚は重要な生物医学センサーであり、デバイスはしなやかで丈夫であり、伸縮可能で感度が高く、ぴったりと貼り付けることができ快適であることが求められる。「グラフェンは素晴らしい導電性や柔軟性を持つ、電子皮膚の理想的な素材である。しかしグラフェンをより快適に美しく、安定的かつ信頼性を持って皮膚の表面に貼付し、人体のさまざまな生理信号を収集するには、重要な問題を解決しなければならなかった」と任天令教授は説明している。
また、「多層グラフェンによる表皮電子皮膚は、電気抵抗の変化を通じて皮膚表面の細かな形の変化を測定することができ、マスク、腕、喉など多くの位置に貼り付けることにより、呼吸、心拍、発声など生理的な身体信号の測定を行うことができる」という。
研究チームはこのデバイスの研究過程において酸化グラフェンの湿式剥離に関する新たな手法を開発し、グラフェンの酸化物を除去してグラフェンだけを残すことに成功した。これによりデバイスはさらに美しく、感度はより高まり、さらに高い温度にも耐えることが可能になった。
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