花輪に向かって黙とうする福田氏
日本の福田康夫元首相が24日、南京市江東門付近にある「侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館」を訪問しました。同記念館を訪れた日本の首相経験者は、村山富市、海部俊樹、鳩山由紀夫各氏に続いて4人目となります。
福田氏は張建軍館長の案内で資料展を見学した後、犠牲者に花輪を手向け、黙とうを捧げました。また、「和平東亜」と揮毫したほか、張館長から中日および第三国の人々の証言と一次資料を集めた『人類の記憶ー南京大虐殺の実証』(日本語版)と平和の徽章の贈与を受けました。
福田氏は館内でCRI記者の取材に対して、この記念館は「これまで訪問しなければいけないと思っていた場所だ」とし、「戦争をしてはいけない。平和が一番大事だ。戦争が一般市民を巻き込み、多くの被害をもたらした。人類として再び起こしてはならないことであり、事実もまた事実としてしっかりと受け止めなければならない」と胸中を語りました。
日本国元総理大臣として福田氏が手向けた花輪
南京陥落前後の資料や大虐殺に関する展示とあわせて、戦後に歴史の真実を伝え続け、心の和解を目指す日本人たちの取り組みを紹介するなど、人類の平和を一緒になって作ろうという展示理念に対し、福田氏は「バランスのとれた内容だ」と評価し、記念館について「資料をよく集めている。日本ではあまり公開されないものもあり、こういうことを日本人がもっと知るべきだと思った」との認識を示しました。
福田氏はまた「過去の事実を広く後世に伝えていくのが、現代の我々の責任だ」と語り、「アジアが世界をリードする時代が始まった。日中両国民は過去のことを忘れることはない。それと同時に、前方を見て前進しなければならない。両国民が力を合わせて、新しい時代、良い世界を作るために働かなければならない」と語りました。
「和平東亜」と揮毫する福田氏
この訪問には、中国人民政治協商会議委員を務める中国社会科学院日本研究所の高洪前所長、江蘇省外事弁公室の関係者らが同行しました。張館長は福田氏の訪問の意義を高く評価し、「歴史問題の解決には中日双方の努力が必要だ。より多くの日本の政治家に記念館を訪れ、この歴史に触れてほしい」と語りました。
なお、福田氏は中国社会科学院学部主席団主席を務める中国人民政治協商会議全国委員会民族宗教委員会の王偉光主任の招きに応じるかたちで、22日から25日までの日程で、上海で開かれた一連の学術会議に出席のために訪中しました。(取材:王小燕)
(中国国際放送局)
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