【新華社鄭州5月29日】中国河南省の鄭州市と重慶市万州区を結ぶ鄭万旅客輸送専用線のスラブ軌道の敷設が急ピッチで進んでいる。同線潁河特大橋の橋脚に付いている二次元コードをスキャンしてみると、携帯の画面に「潁河149#墩」の橋脚・フーチング基礎・杭基礎のパラメータや概略図のほか、建設参加業者・監督管理業者・技術・品質などの関連責任者の所属や氏名などの情報がすぐに表示された。
中鉄七局集団有限公司・鄭万旅客輸送専用線プロジェクトの耿国永チーフエンジニアによると、「透明高速鉄道」が基本的に一般の高速鉄道と異なる点は、線路上のすべての鉄筋コンクリート部材に「電子身分証」が付いていることだ。施工現場では、高速鉄道の地面から上に向かって順に、橋脚、箱げた、道床、枕木の「身分証」である二次元コードがそれぞれ橋脚のシャフト・箱げた内部・枕木上にプリントされていて、スキャンするだけで識別できるという。
箱げたと枕木の間の道床は、時速350キロメートルの高速鉄道走行の安全性に関わるもので、技術レベル、施工精度や難度が最も高いため、「身分証」もコンクリートの中にチップを埋め込む特殊な方法を採っている。現場では、作業員が道床の鉄筋骨組みを溶接しながら、骨組みにUSBメモリほどの大きさのオレンジ色の小さな箱を設置していた。
中鉄七局集団有限公司・鄭万旅客輸送専用線プロジェクトの王暁鶴・二支部書記は、「箱にはバスカードのようなRFIDチップが入っていて、読み取り装置により、道床のモルタル性能指標や注入速度、温度、湿度など施工の細部まで検索することができる」。一区画の道床上に敷設する10本の枕木のうち、2本目と9本目の枕木の道床の骨組みにチップを設置するよう要求されていて、平均6・4メートルに1枚埋め込まれなければならないという。これは、全長818キロメートルの鄭万旅客輸送専用線全体で約13万枚のチップが埋め込まれる計算になる。
また、デジタル化技術の運用が高速鉄道に「透明」性をもたらしたほか、高速鉄道の施工品質をより安全なものにした。同線で初めて使用されたデジタル化技術には、「電子身分証」のほかに、建築材料の搬入から最終的な竣工までをカバーする施工情報化システムがあり、工事品質に対する全過程のモニタリングを行っている。
デジタル化された「透明高速鉄道」施工は、建築企業にとってコスト削減と効果拡大を実現している。プレテンション方式を例に挙げると、以前はPC鋼材の緊張作業に少なくとも4人の作業員が必要だった。2人が手作業で緊張の精度を計算し、2人がリアルタイムでのデータ記録を担当していたが、デジタル化の自動緊張システムの導入後、今では作業員1人で作業を完了できるようになったという。
当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。
推薦記事: