【新華社西安5月23日】中国陝西省神木市の石峁遺跡から約4千年前の骨製の口琴(細長い弁の振動させ口腔に共鳴させる楽器)が多数出土した。考古学的背景が明確なこと、一緒に出土した遺物が豊富なこと、構造が完全なこと、特徴がはっきりしていることなどから中国の音楽史上重要な発見となった。
石峁遺跡は今から約4千年前の極めて規模の大きい遺跡だ。陝西省考古研究院長で石峁遺跡調査隊長を務める孫周勇氏は21日に行われた記者会見で、皇城台で膨大な量、豊富な種類の遺物を発見したと説明した。陶器・骨器・石器・玉器など重要な遺物が含まれており、このうち非常に多数発見された骨器の中からは重要な楽器、口琴が見つかった。
石峁遺跡の骨製口琴はいずれも皇城台の東擁壁北側上部にある「ごみ捨て場」の中から見つかっており、皇城台が使われていた時期に皇城台の頂上から捨てられたものとみられる。出土した骨製口琴は規則的に作られており、細長い形をしており、中間にごく薄い弦がある。一般的に長さ約8~9センチ、幅1センチあまり、厚さはわずか1~2ミリだ。出土した数はざっと見ても20点はあり、骨製管状笛・陶製球状笛も一緒に見つかった。最新の年代測定データによると、これらの口琴が製作されたのは今から約4千年前だという。
口琴は中国の秦以前の時代の文献の中で「簧(こう)」と呼ばれており、「詩経・君子陽陽」の「君子陽陽たり、左に簧を執り、右に我を招くに房由(よ)りす」、「詩経・小雅・鹿鳴」の「我に嘉賓あり、瑟(しつ)を鼓し笙を吹く。笙を吹き簧を鼓す、筐を承(ささ)げて是を将(すす)む」などがその例だ。 現代の口琴は中国最小の民族楽器であり、モンゴル族やチャン族など多くの少数民族の間で広く親しまれている。
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