【新華社東京5月9日】元駐中国大使の宮本雄二氏はこのほど、新華社の取材に応じ「日中関係は少しずつ改善に向かっている。李克強総理の訪日が契機となり、日中の平和友好関係にとって待ち望んでいた再出発のスタート台に立てたと感じている。同時に、日中韓3カ国の協力体制が、今後大きな作用を発揮するような成果を上げてもらいたい」と語った。
宮本氏は、李克強氏のこの度の訪問は、中日関係を正常な軌道に戻すためのチャンスを提供しているとし、平和で協力し合う中日関係を続ければ友好関係は自然に生まれるとの見方を示した。また「日中が政治的な相互信頼を深め、経済分野ではウィンウィンの関係を構築し、国民感情を改善していくことを期待する」と語った。
宮本氏は、歴史に学び未来に向かう精神が、政治的な相互信頼を深めていくとし、「平和国家としての日本の基礎は、戦前の歴史を学び続けることで確固たるものとしなければならない。これは日中友好の基礎でもある」との考えを示した。
今年は中日平和友好条約締結40周年。宮本氏は「日本人、特に若者には、日本がかつて中国を侵略し中国の人々に多大な被害を与えた歴史をきちんと学んでほしい」とし、中国の若者には、「戦後の日本は一貫して平和国家としての道を歩んできたこと、中国の改革開放と経済発展を日本が支援してきたことを理解してほしい」と述べた。
宮本氏は、さまざまな形で日中の国民が直接交流できる機会を増やすことは中日関係の発展にとって極めて重要であると述べ、両国のマスコミは相手国の普通の人々を身近に感じるような報道をしなければならないとの見方を示した。
宮本氏は、日本も積極的に「一帯一路」構想を視野に入れて経済協力を行うべきだと提言した。同氏は「一帯一路」構想がアジア、世界に利益をもたらすと認識しており「日中両国が『一帯一路』の枠組みの下に協力することで第三国に恩恵をもたらす。これが『一帯一路』の精神であり、「人類運命共同体」の精神だと信じている」と語った。さらに「一帯一路」の枠組みの下に日中が具体的な協力を進めていく構図は、新しい時代の中日関係を象徴するものとなるだろうとの期待を示した。
第7回中日韓首脳会議について、宮本氏は、中日韓の3カ国がより高いレベルの自由貿易体制を構築し共同の目標を達成すれば、世界の自由貿易の大勢をさらに強めるための助けとなるだろうと期待した。
第1回の中日韓首脳会議が2008年12月に日本の福岡県で開催された時、宮本氏は北京で駐中国大使を務めていた。宮本氏は「日中韓3カ国の首脳が会談をする場ができたことを非常に嬉しく思っている」と述べ、中日韓3カ国が東アジアの平和と発展という中心課題について直接対話と議論をすれば、積極的な効果は必然的に得られると語った。(記者/楊汀 沈紅輝)
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