【新華社ベルリン4月27日】ドイツのベルリン市中心部にあるジャンダルメン広場の向かいに、赤い屋根とクリーム色の壁の古風な建物がある。この建物はかつて旧東ドイツの最高学術機関が置かれ、現在は「ベルリン・ブランデンブルク科学アカデミー」とその名を変えている。アカデミーの中には、マルクス・エンゲルス研究のために特別に設立した「マルクス・エンゲルス全集」歴史考証版の編集部がある。
マルクスの死後100年以上を経た現在、編集部はマルクスとエンゲルスの自筆原稿や手紙を復元し世界に公開している。編集部が出版した著作集は、世界で最も完全に近い形にあると評されている。
編集部の責任者、ゲルハルト・フーベルマン氏の書棚には、これまで出版してきたマルクスとエンゲルスの著作集が、フランス語・日本語・中国語版も含めすべて並ぶ。壁には「ドイツ・イデオロギー」と「共産党宣言」の複製自筆原稿が2枚掛かっている。 編集部には現在11名の学者が在籍し、モスクワ、アムステルダム、日本の編集チームを統括する。
エンゲルスの死後、マルクスとエンゲルスの著作や自筆原稿のすべては、当時のドイツ社会民主党が受け継いだ。ヒトラーが政権を握った後、同党は貴重な資料がナチスによって破棄されるのを防ぐため、秘密裏に国外へ運び出した。現在マルクスとエンゲルスの自筆原稿のうち、3分の2はアムステルダム、残りの3分の1はモスクワで保管されている。
編集部は歴史考証版「マルクス・エンゲルス全集」の出版を計画している。1970年代から始まった編集作業は現在までに3分の2近くが完成している。全集は合計114巻、1巻2冊構成で、1冊は原文版、もう1冊は注釈版となる。また、ギリシャ語、中国語、日本語、フランス語、イタリア語などの言語にも翻訳される。
人々のマルクス思想に対する関心の高まりから、編集チームは復元のペースを速め、より多くの著作を世に送り出そうとしている。フーベルマン氏は、編集部が現在までに整理出版した「資本論」および関係資料は15巻に上ると語った。十数年前までは「資本論」はわずか3巻しか出版されておらず、第1巻はマルクスが自ら出版したもの、第2、第3巻はエンゲルスがマルクスの自筆原稿を整理して出版したものだった。
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