【新華社北京4月19日】宇宙開発や防衛システムを手がける中国の国有企業、中国航天科工集団の第二研究院203所はこのほど、先進技術を用い独自に開発した電子識別マーカーが、国内で使用開始されたことを明らかにした。
中国で地下に埋設された配管などを認識するための電子識別マーカーはこれまで外国製品の独占状態が続いていたが、今後、国産品で配管に電子「身分証」の装着が可能になる。
203所スマート配管プロジェクトの責任者、劉偉氏によると、電子識別マーカーは配管の位置に対になって固定されていることから、地形の変化による影響をほとんど受けることなく、探査機でマーカーを探し当て、対応する配管の位置が確定できるという。
電子識別マーカーは、工事の際に埋設できるほか、既存の配管の表面に追加装着することもでき、路面に影響を与えない。劉氏は「電子識別マーカーは電源が不要で、汚染物質を排出しない。寿命も長く、地下配管の埋設状況を詳細に把握できる」と話している。
電子識別システムの構築により、地下配管に関するデータの正確性が96%以上に向上したほか、掘削による配管破損事故の発生率が45~50%減少し、点検や修理で掘削する道路の面積も60~65%削減できた。また、配管全体を管理するシステムを構築し、全ての地下配管のモニタリングが可能となった。203所は現時点で国内の20以上の省・自治区・直轄市のユーザーに数十万台の電子識別マーカーを提供している。江蘇省の蘇州太湖新城や北京未来科学城などのプロジェクトでも活用されているという。
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