【新華社銀川2月2日】中国西部の内モンゴル自治区南西部から甘粛省中部にかけて広がるトングリ砂漠で、風の音を聞き、天体望遠鏡で星を観て、天の川や星の軌道を背景に写真を撮る。空気がきれいで、光害も少なく、適度な標高も備える中国西部地区で観る美しい満天の星空は、大都市の観光客に人気の観光資源になりつつある。
急速に広がる都市化により、街灯やネオンの人工的な光が神秘的な星空に取って代わってしまった。「都市で育った子どもたちに本物の星空を見せてあげたい」と語る寧夏回族自治区銀川市の青年天文教育普及協会会長の劉普順さんは、星空ツアーと同自治区の観光資源を結びつけた観光プロジェクト「星空シャトー」を立ち上げた。
このプロジェクトは、ますます細分化されていく観光の需要に合致する。人々は大ざっぱに一通り見て回るだけのこれまでの観光では満足できず、より特別な、より深い体験を求めている。伝統的な観光資源と結びつけたことで、星空観測ツアーは、少数者の趣味から、より多数の人が楽しむものに変化しつつある。
劉普順さんによると、同自治区は、海抜が高く雲が薄いだけではなく、晴れの日が多く、空気もきれいで、中国で最も優れた天体観測地点の一つという。天文学の普及と自然風景を結びつけた体験スタイルの独創的な文化観光商品は、大都市の観光客の間で好評を博した。
これら北京、上海、深圳など大都市からの旅行客は、中国の西北地域で厳かにそびえ立つ山々や果てしなく続く砂漠を体験した後には、幼い頃に見た星空を山頂や砂漠の上空で再び見たいと思うようになる。
星空観測ツアーの難しいところは、裸眼では星を見ても点にしか見えないことだ。劉普順さんは毎回ガイドをするとき、天体望遠鏡と撮影機材を準備し、観光客に天文知識の解説や星座の見分け方の指導、星の軌道の撮影をする。
天文教育普及者として、ツアー客を連れて星空観測をする流れをとても気に入っている劉普順さんは「誰もが星空の下に立つと、これが世界で一番美しい風景なのだと気づく」と語る。
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