【新華社東京11月3日】日産自動車、神戸製鋼所、SUBARU(スバル)の著名な日本企業3社の偽装や不正が、このほど相次いで明らかとなった。かつては世界で優れた品質の代名詞であった「メイドインジャパン」も、今では安心できない代名詞へと変わりつつある。
日本の製造業にはなぜ「偽装」が頻発しているのだろうか?日本の愛知大学国際中国学研究センターの李博客員研究員は、新華社記者の単独インタビューに応じた際、日産、神戸製鋼、スバルの不正行為の背後には、日本企業の雇用制度、労働力コスト制御の面で共に存在する問題、関連部門の監督管理レベルでの弱点が露呈していると述べた。
李博氏は、企業管理の面から見て、日本企業の終身雇用、年功序列の給与制度は依然として根深いと見ている。これらの制度は、従業員の帰属感と安定性を高められるものの、人員の流動性の低下、新陳代謝の鈍化も招き、企業の競争力と効率の低下をもたらす。
労働力コスト制御の面から見て、日本企業は労働力コスト制御を過度に重視しており、企業はできる限り正社員数を縮小するため、臨時従業員、アルバイト、派遣従業員などの非正社員数の大幅な増加を招いている。この種の人員の多くは専門的な訓練を受けておらず、単純な繰り返しの労働しか担当できない。日産やスバルの自動車検査問題の原因はここにある。
同氏は、監督管理の面から見て、製造業のスキャンダルの頻発は関連部門の政策制定と実行の上での弱点を露呈していると述べる。同氏によると、神戸製鋼は何年も前からデータ改ざんを始めていたが、今になってこれが明らかとなった。これに対する国家の監督管理責任は大きい。日本政府は、法規制定や基準実行の上で主導的役割を果たしているものの、日本の製造業が比較的成熟しているために、政府が企業、産業の自律能力を過度に信頼してしまい、国家の監督管理不足を招いた。このほか、監督管理機関の人手不足も問題の大きな原因の一つだ。
同氏は、短期間に生じたこれらの一連の事件は、日本が長期に渡って築き上げてきた職人の精神などのプラスのイメージ対して非常に大きなダメージを与えたが、日本政府の企業への監督管理強化を促進することにもなり、日本企業が内部監督管理をさらに重視し、関連する法律法規と基準の細分化を推進する機会となったと考える。また、社会の価値観の面でも、これらの事件が日本国民と企業に、日本の製造業に生じている問題を冷静、客観的に認識させ、「メイドインジャパン」に対する盲目的な自信から脱却させ、「メイドインジャパン」の品質を再構築するよう積極的な影響を及ぼした。
当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。
推薦記事: